桂米團治、伯父の指揮者・井出章夫氏と来年1・9京都で演奏会
落語家の桂米團治(60)と、伯父で指揮者の井出章夫氏(ふみお、92)が21日、大阪市内で来年1月9日に京都市の京都コンサートホールで開催する演奏会「ベートーヴェン生誕二五〇年記念 井出章夫指揮者活動七十周年記念演奏会」の制作発表を行った。
来年の元日に93歳を迎える井出氏は、米團治の妻の母親の姉の夫。指揮者活動70年目を迎える超ベテランだ。米團治は昨年、親族の通夜の席で井出氏と再会。話を聞くうちに、指揮者として活動をしていることを知ったという。
クラシックに造詣が深い米團治は「93歳で指揮をしている人はいない。伯父さんへのお祝いというか、エールをコンサートに託したい」と大阪交響楽団の協力を得て、採算度外視で米朝事務所初のクラシックコンサートを開く。
井出氏は戦後、楽器をかき集めて1949年(昭和24)に京都市で交響楽団を結成。教師を務めながら指揮者として活躍してきた。べートーヴェンの交響曲第2番に、思い入れがあるといい「プロのオーケストラに振るのが楽しみ。冥土の土産です」と笑った。
演奏会では、ナビゲーターを務める米團治自身もタクトを振る。「父が生きていれば同じ歳。頑固さがよく似ている。ジャンルは違えども、情熱の傾け方は同じ。米朝が元気に生きていれば、こういう演奏をするのだろうという思いはある」と、井出氏の姿に亡き父・桂米朝さんの面影を見ていた。