吉田照美が危惧するラジオの今 批判精神が「同調圧力で消されようとしている」

 ラジオパーソナリティの吉田照美(68)が16日、都内の文化放送で行われた同局の定例社長会見にゲストとして出席した。文化放送にアナウンサーとして1974年に入社し、「セイ!ヤング」、「吉田照美のてるてるワイド」、「吉田照美のやる気MANMAN!」、「吉田照美のソコダイジナトコ」など、数々の番組を歴任。新元号の令和を迎えるにあたって、昭和末から平成期のラジオを知る人間として、業界への思いを語った。

 最近のラジオ業界をどう見ているか。この質問に吉田は「今、起こっている本当のニュースみたいなものを、ちゃんと事実として伝える側面が少し、昔と比べると正直弱まっていることは言えると思いますよね」と真剣に答えた。

 24年間続き3月で終了したTBSラジオ「荒川強啓デイ・キャッチ!」についても「ファクトにこだわってラジオづくりをされていた番組」と敬意を表した上で、名物だった川柳のコーナーを通じてラジオ界の今について触れた。

 「川柳、僕大好きですけど、風刺が入っているわけですよね。風刺っていうのは、庶民の思いというのが確実に込められているもので、今の時代は風刺がやりづらくなっている」

 危惧しているのは「批判精神とか風刺みたいなものが、同調圧力で消されようとしているな」という点だという。自身は今、「Pocoっとchaンネル」という文化放送の番組でライブ配信の魅力を紹介しているが、そうしたライブ配信の送り手は「何にも忖度されない自由な発言をしている」とことなどが人気につながっていると見ている。

 自身の番組でも織り込んでいたように「深夜放送って下ネタも満載」という、深夜や夜ワイドの番組が今以上に若者に聴かれていた時代を過ごしてきた。「親に聞いたり、学校の先生に聞いたりでは得られないというか。下ネタによって性の悩みも解消されたり。そういう部分がなくなりつつあるのが、危惧しなきゃいけないところじゃないかなと思うんですけどね」。顔の映らないラジオだからこそ、できることがある。そうした点も含めて、「テレビよりもラジオの方が遊べる気がします」とラジオの魅力を、あらためて語った。

 吉田は文化放送「伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛(おやじ・ぱっしょん)」(土曜、後3・00)と、「Pocoっとchaンネル」(月曜、深夜2・30)に出演している。

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