羽生善治氏国民栄誉賞 王さんイメージ重ね「激励の意味もあったかな」

 政府は5日、将棋界史上初の「永世七冠」を成し遂げた羽生善治氏(47)、囲碁で初めて七冠独占を2度果たした井山裕太氏(28)に国民栄誉賞を同時授与することを正式決定した。将棋、囲碁界でそれぞれ初めての受賞。授与式は2月13日に行われる。

 羽生氏は紺の背広に紫色のネクタイを締め、終始、淡々と、実直に語った。国民栄誉賞には、小学生時代に本塁打の世界記録更新が話題となっていたソフトバンク・王貞治球団会長(77)のイメージを重ねた。「まさか自分自身が、そういう賞をいただけるようになるとは夢にも思わなかった。大変驚き、ありがたいことだなと思っています」と表情を変えずに喜んだ。

 1996年に将棋界で初めて七つのタイトルを独占し、将棋ブームを呼んだ第一人者。昨年12月の竜王戦で勝利して通算7期となり、永世称号でも史上初めて七冠に輝いた。

 名実共に歴史に名を残す最強棋士だが「(受賞には)激励の意味もあったんじゃないかなと受け止めています」と浮かれることはなかった。藤井聡太四段(15)ら新星も続々と誕生。「非常に変化が早い世界。過去にどんな実績があろうとも今ある流れ、潮流に乗り遅れてしまうと取り残されてしまう」と危機感すらにじませた。

 長年、一線級で活躍できる理由を聞かれると、マラソンに例えた。「トップになる必要はない、トップ集団にいるのが大事と考えています。トップ集団にいる中で切磋琢磨して、そのときの流行、最先端なものを取り入れながら前に進んでいくことを心がけてきたつもりです」。

 まだ道半ば。さらなる高みを目指す、現役棋士の炎が言葉の端々で燃えていた。

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