NHK会長 31歳女性記者の過労死に「大変重く受け止めています」

 NHKが5日、東京・渋谷区の同局で上田良一会長の定例会見を開いた。同局は4日に、NHK首都圏放送センターの佐戸未和(さど・みわ)記者(当時31歳)が13年7月に都内の自宅でうっ血性心不全で亡くなり、14年5月に渋谷労働基準監督署から長時間労働による過労死として認定されていたことを公表。このことについて会長が言及した。

 上田会長は「公共放送を支えるために頑張ってきた優秀な記者を失い、残念な気持ちでいっぱいです。労災認定を受けたことを、大変重く受け止めています」などと発言した。佐戸さんの両親が発表した「志半ばで駆け抜けていった未和の無念さ、悔しさ、遺族の悲しみを決してむだにすることなく、再発防止に全力を尽くしてもらいたい」というコメントを引用し、「その言葉をしっかりと受け止め、引き続き、ご両親の協力も得ながら、改革に取り組んで参ります」と再発防止を誓った。

 NHKは、4日に公表した際、文書で「佐戸さんの死をきっかけに働き方改革を推進中」とし、「二度と同じようなことを起こさないという決意を組織内で共有し、改革の徹底を図るために、NHKで発生した過労死の事実を全職員に伝え、外部に公表することが必要だとの判断に至りました」と再発防止に向け、過労死の事実を公表することを決めたと説明していた。

 この日の会見では、労基署からの認定から約3年たっての公表となった理由を、上田会長が「ご両親の代理人から公表されることは望んでいないと聞いていたので、そういう意向に配慮が必要だろうということはあったと思います」と説明した。

 佐戸さんは05年4月、NHKに入局し、鹿児島放送局勤務。10年7月、首都圏放送センターに異動し、経済担当を1年、東京都庁担当を2年していた。

 13年7月24日に都内の自宅で亡くなり、翌25日に知人が遺体を発見した。亡くなる1カ月前の残業(時間外労働)が159時間だったことも明らかになっている。

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