素根輝 復活V 昨夏パリ五輪以来復帰戦で喜びの涙「不安があったが、気持ちだけは切らさず最後まで集中して闘った」

 「柔道・講道館杯全日本体重別選手権」(1日、千葉ポートアリーナ)

 女子7階級が行われ、78キロ超級は2021年東京五輪覇者の素根輝(25)=パーク24=が初制覇した。決勝で昨年世界女王の冨田若春(コマツ)を指導3の反則勝ちで下し、昨夏のパリ五輪以来となる復帰戦を飾った。57キロ級でパリ五輪銅メダルの舟久保遥香(三井住友海上)は3回戦で敗退。大森朱莉(JR東日本)が初めて制した。

 1年3カ月前のパリとは対照的な喜びの涙を流した。東京五輪女子78キロ超級金メダルの素根が、左膝の負傷で棄権した昨夏のパリ五輪以来となる復帰戦に挑んで頂点に立った。

 「最後まで戦い抜けるか不安があったが、気持ちだけは切らさず最後まで集中して闘った」。初戦からゴールデンスコア(GS)にもつれた。決勝の相手は昨年の世界選手権覇者の冨田。実力者相手にも粘り切り、GSの末に反則勝ちを収めた。

 昨年9月に患部を手術したが、花の都で金メダルを逃した素根の心は曇った。「柔道をやめた方がいいのか…」。それでも今年6月から打ち込みを再開し「悔しい」の思いがこみ上げた。少しずつ晴れた心や周囲の支えが再起の力となった。

 患部は良好も「6割ぐらい」と万全ではない。ただ積み重ねた経験と技術、延長でも衰えない持ち前のスタミナで勝ち切った。完調はまだ先だからこそ期待は膨らむ。「また世界一になりたい」。28年ロサンゼルス五輪に向けて、力強い一歩を踏み出した。

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