９日に元横綱照ノ富士の伊勢ケ浜親方（３３）が継承した伊勢ケ浜部屋が１８日、大阪府内で新体制では初となる稽古を公開した。

　元宮城野親方の白鵬さんの日本相撲協会退職騒動もつかの間、師匠が代替わりした伊勢ケ浜部屋が大阪府堺市内で合宿を行い、その初日を報道陣に公開。力士たちは午前７時３０分から１１時３０分まで、４時間みっちりと汗を流した。

　先代（元横綱旭富士）から年寄・伊勢ケ浜を襲名した元横綱照ノ富士の伊勢ケ浜親方は、初日から先代譲りの厳しい指導を披露した。弟子たち一人一人へ的確にアドバイスを送り、改善が見られなければ厳しい声が飛んだ。関取にも容赦はなく、熱海富士が回しを取る際に脇が甘くなるクセを何度も指摘。身ぶり手ぶりを交えて直接指導が行われる中で、なかなか治らない熱海富士の悪癖に師匠は「何回言わせんの！」と熱くなっていた。

　申し合い稽古を中心に、普段の練習量より多い合宿の稽古に弟子たちも苦しそうな表情を見せていた。番付下位の幕下以下には楯山親方（元前頭誉富士）が付きっきりで、筋トレを指導。伊勢ケ浜親方は「いくら頑張ってうまく相撲を取ろう思っても、体の力がないとそういう相撲は取れない。まずは体力づくり」と今回の合宿の方針を語った。

　現役引退から半年で部屋持ちの親方となったことには「なったばかり。みんな頑張っているけど、言ったことができないとちょっと悩みますね」と本音も。それでも、自身のような強い力士の育成へ、「これぐらいの部屋を継いだわけだから発展を考えないと。早く

次の関取、三役、大関を目指してやってもらいたい」と覚悟を語った。