桐生祥秀 決死出陣 布勢Sで違和感の右アキレス腱「完全には治ってない」

 東京五輪代表選考会を兼ねる陸上日本選手権(24日開幕、ヤンマースタジアム長居)を前に、有力選手たちが23日、オンラインで会見した。注目の男子100メートルで2大会連続五輪を狙う元日本記録保持者の桐生祥秀(25)=日本生命=は今月上旬に痛めた右アキレス腱が万全ではないことを告白。手負いの状態で大一番に臨む。9秒95の日本記録を樹立した山県亮太(29)=セイコー、前日本記録保持者のサニブラウン・ハキーム(22)=タンブルウィードTC、多田修平(25)、小池祐貴(26)=ともに住友電工、ケンブリッジ飛鳥(28)=ナイキ=が3枚の切符を争う。

 最後まで表情が緩むことはなかった。ずっと目標にしてきた自国開催の夢舞台。その切符を懸けた大一番を、桐生は万全ではない状態で迎えた。

 今月上旬の布勢スプリントの予選で追い風参考で10秒01をマークしたが、その後、右アキレス腱の違和感で決勝を欠場。あれから2週間。「完全には治っていない。布勢以降はほぼほぼ走り込みはできなかった。痛みをとることを最優先にやってきた」と告白。「明日、あさっての3本、足が耐えきれるように、しっかり結果を残していきたい」と、しのぐ戦いとなることを覚悟するように話した。

 桐生が欠場した布勢の決勝で、山県亮太が9秒95の日本記録を樹立。元日本記録保持者として、思いを問われたが「もう明日からその選手と戦うので、過去の記録のことは、インタビューで答えたくない」。張り詰めた雰囲気を漂わせた。

 すでに参加標準記録を突破している桐生は3位以内に入れば、五輪切符を手にする。ただ、山県、サニブラウン、小池、多田の4人も標準突破を決めており、表彰台を逃せば、一転して厳しい状況に追い込まれる。

 五輪選考会は2度目。16年のリオ五輪選考会では“本命視”されながらも、ケンブリッジ、山県に続く3位に終わり、涙に暮れた。五輪出場は決めたが、ほろ苦い記憶が残る。

 ただ、この5年で積み上げてきたものに、自信はある。「走りの技術は上がっているし、どんな状況でも走れるようになっている」。17年に日本人初の9秒台を出した時も左足に不安を抱えていた。逆境を力に変え、再び奇跡を起こす。

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