川内優輝 誤算自己最低29位 酷暑が一転涼しく…作戦裏目に「自分の日じゃなかった」

 「陸上・世界選手権」(5日、ドーハ)

 男子マラソンが行われ、4度目の出場となった川内優輝(32)=あいおいニッセイ同和損保=は、2時間17分59秒で自己ワーストの29位に終わった。2年前のロンドン大会で8位と3秒差の9位に終わり、一時は日本代表を引退。その後、公務員を退職し、プロランナーとなって世界の舞台に帰ってきたが、厳しい現実を突きつけられた。山岸宏貴(28)=GMOアスリーツ=が2時間16分43秒で日本人最上位の25位、二岡康平(25)=中電工=は2時間19分23秒で37位だった。

 誤算だった。ここまで真夜中開催のマラソン、競歩は気温30度以上、湿度も70~80パーセントの過酷な環境で行われてきたが、男子マラソンのこの日は気温こそ29度だったが、湿度はグッと下がって51パーセント。涼しさすら感じる過ごしやすい気候となり、消耗戦を想定してペース設定をしていた川内には影響が大きかった。3分10秒台で推移していった集団について行ききれず、じわじわと離されていった。ハーフは52位で通過。落ちてきた選手を抜いていく形で順位を上げたが、29位がやっとだった。ゴール後は顔を上げることなく、首を直角に曲げ、うつむき続けた。「想定通りだった。私はただ自分のペースで走っただけ。ただ、結局湿度が低くて、前が落ちてこなかった。女子マラソンや競歩のような湿度だったら、2時間15分から20分が入賞ラインになると思ったんですけど。作戦ミスと言えば、作戦ミス。今日は自分の日じゃなかった」と、誤算を口にした。入賞ラインは2時間11分49秒。あまりにも計算が違い過ぎた。

 6月にドーハに視察にきた際、暑さへの覚悟を決めた。その後、公務員時代にはできなかった長期合宿も敢行し、現地入り後は23時59分スタートに対応するため昼夜逆転生活を送るなど、準備をしてきたが、最後の最後に誤算が待っていた。消耗戦を想定していたため、速いペースについていく足がなかった。「暑さが苦手な私がいうのもなんですけど、50キロ競歩なみにもっと厳しい湿度になってくれれば、もっといけたのに」と、天を仰いだ川内。

 プロになって帰ってきた世界の舞台。何より結果が求められる中で、過去ワーストの順位に終わった。今後の日本代表への挑戦については「過去最低順位になってしまったので、現時点では何とも言えない。せっかくロンドンで最後って言っててカムバックしてきたのに。最低順位になるために戻ってきたわけではないので…。今はちょっと考えられないです」と、白紙とした。

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