丸山城志郎が初出場で初優勝 ライバル阿部一二三に3連勝…東京切符は譲れない!

 「柔道・世界選手権」(26日、日本武道館)

 男子66キロ級は、世界ランキング2位で初出場の丸山城志郎(26)=ミキハウス=が金メダルを獲得した。3連覇を目指した阿部一二三(22)=日体大=を準決勝で延長の末に破り、決勝も金琳煥(韓国)に完勝した。阿部一は3位決定戦で一本勝ちし銅メダルを獲得。女子52キロ級の志々目愛(25)=了徳寺大職=も3位決定戦を制し銅メダルを獲得した。

 腹をくくった手負いの虎が、最後に牙をむいた。日本人対決の準決勝。丸山は試合開始直後に釣り手の左手を痛め、中盤からは軸足の右膝を引きずった。指導2つをとられて突入したゴールデンスコア。「ただ勝ちたい。その一つだけだった」

 恐ろしいほどの気迫を込めた内股で、大会3連覇を狙う阿部一の体を何度も浮かせた。最後はともえ投げからの浮き腰で技あり。7分46秒の死闘に決着をつけた。東京五輪への最大のライバルに3連勝。26歳で初出場した世界選手権の金メダルを「普通の人より長くかかった」と、いとおしそうに握りしめた。

 天理大2年だった16年リオデジャネイロ五輪直前に左膝を痛め、代表戦線から脱落。復帰を目指す時期に台頭したのが阿部一だ。その背中を追い続けて昨年秋からは2連勝。今大会前に「やっと同じ舞台に立てた。彼に勝たないと代表は得られない。避けて通れない道。直接勝って優勝することに意味がある」と決意を語っていた。

 3連勝はすべてゴールデンスコアでの捨て身技。「右膝はたぶん内側じん帯を痛めている」と本人が言う大けがを痛み止めの薬と注射、テーピングを施して乗り越えた。強じんな精神力で得た勝利は「自分の柔道人生に大きく影響する」と大きな財産となった。

 決勝では金琳煥(韓国)に得意の内股と腰車の合わせ技で一本勝ちし、国内外で大会5連勝。「東京五輪の金メダルが最大の目標。今日だけこのうれしさをかみしめて、明日から気持ちを切り替えて練習する」。その目標はしっかりと視界に捉えた。

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