クルニッチも涙、伊達に一礼「勝ってしまってごめんなさい」

 「テニス・ジャパン女子オープン」(12日、有明テニスの森公園)

 今大会が現役最後となる元世界4位の伊達公子(46)=エステティックTBC=がシングルス1回戦で0-6、0-6で敗れ、08年から約9年間にわたったプロ2度目の挑戦に幕を下ろした。最後の相手となった世界67位のアレクサンドラ・クルニッチ(24)=セルビア=は勝利インタビューで「勝ってしまってごめんなさい」と涙ぐんだ。

 勝利後、ネットを挟んで向かい合った伊達に一礼し、笑顔で抱き合った。コート上の勝利者インタビューでは「今日の試合ですけど、どのぐらい大切だったかご存じだったと思います。みんなスポーツ選手ですから、いつの日か、こういう日がくるかくるのが分かっています。何と申し上げていいかわかりませんが感情的になった瞬間でした」と本音を漏らした。

 試合はクルニッチが圧倒した。第1セットの第1、第3、第4、第6ゲームは1ポイントも与えず。第2セットも第2、第5ゲームは1ポイントも許さずものにした。力強いストロークと、ドロップショットを用いた前後の揺さぶりで、勝負に徹した。

 「この試合の対戦相手、伊達選手の相手が私でなければいいのにというのが本音でした。なんで私なのと」と、相手のキャリアを終わらせることへの葛藤もあったというクルニッチ。「勝ってしまってごめんなさい。プロなので勝つしかなかった。ロッカールームで泣くかもしれませんけど、仕方のないことだと思います」と目元をぬぐいながら思いを絞り出した。

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