緒方カープ好成績も不安残った交流戦

 セ・パ交流戦を12勝6敗の好成績で終えた緒方カープ。昨年の11勝6敗1分を上回る数字を残したのだから、これは素直に評価していい。期間中、先発に回った薮田が3勝を挙げ、岡田や大瀬良も順調に勝ち星を積み重ねた。打つ方では丸の大活躍や、育成から支配下選手契約されたバティスタが驚がくのデビューを飾るなど、各々がそれなりに力を発揮した。交流戦全18試合を総括すると「いい戦いができた」と言うことができる。

 ただ、個人的には「残念!」という思いの方が強い。先週の当欄で「ソフトバンク1回戦に先発するジョンソンの出来に注目!」と言ったその左腕助っ人だが、5回5失点KOという結果で終わった。苦手の部類に入る立ち上がりでいきなりつまずき、修正できないままマウンドを降りた。変化球は高めに浮き、ストレートの球威も今一つ。彼の生命線でもある「右打者の膝元に食い込むカットボール」もキレがなかった。四回などは四球から犠打、自らの暴投も絡み無安打で失点してしまう始末。最もしてほしくない失点の仕方で満員の鯉党をガッカリさせた。「交流戦後を占う大事な試合」と位置付けて見ていたが、本当に残念な試合になった。

 ジョンソンが普通の投球をしていれば、中6日でリーグ戦再開初戦となる23日(金)の阪神10回戦(マツダ)での先発が濃厚だったはず。ところが、あの敗戦で軌道修正を余儀なくされると思う。本来の姿にほど遠い左腕エースを今後どう扱うか。また、どう復調させていくか。緒方監督ら首脳陣に重たい課題が残った。

 心配材料はもう一つある。勝利の方程式に欠かせないパーツのジャクソンの不安定さである。シーズン当初は安定性抜群の投球を披露してきたが、この交流戦に入って立て続けに失点をしている。14日のオリックス2回戦でロメロに一発を食らって3点のリードをフイにし、18日のソフトバンク3回戦(共にマツダ)では味方守備の綻びからダメを押される2失点。勝敗を左右する大事なところを任されているポジションだけに、このジャクソンの調子落ちはリーグ戦再開に向けて気がかり。再開までの4日間で何としても復調してもらわないと困る。

 チームの根幹にいる助っ人2人がいい形で終わっていれば、12勝6敗で「よくやった‼」と声を大にして言えたのだが…。パ・リーグ首位の楽天と2位のソフトバンクに負け越した、ということもよく反省しておかないといけない。貯金16で首位の座は安泰ではあるが、盤石でもない。リーグ連覇に向け、ここらでもう一度原点に立ち返る必要があるだろう。

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