決勝戦先発はマー君!浩二監督決めた

 「WBC・2次ラウンド1組1、2位決定戦、日本‐オランダ」(12日、東京ド)

 WBC日本代表の田中将大投手(24)が、米国で19日(日本時間20日)に行われる決勝に登板する可能性が11日、高くなった。田中は10日のオランダ戦で快投した同級生、前田健太投手(24)に刺激を受け、さらに東日本大震災から2年のこの日、日本を勇気づける快投を誓った。日本は東京ドームで自主練習した。

 田中は東京ドームの自主練習前、選手、スタッフらとともにグラウンドで黙とうして、犠牲者を悼んだ。

 「僕たちは普通の生活をすることができているけど、まだ、その前の生活に戻れない方々もいる。震災が風化していくことは怖いことだと思う。野球で明るい話題を届けたい」。あの東日本大震災から2年がたったが、まだ苦しんでいる人たちがいる。3月11日に、この大会の残る試合に臨む決意を新たにした。

 まだエースらしい投球は見せられていない。2日の1次ラウンド・ブラジル戦で開幕投手を務めたが、わずか2回で降板した。6日のキューバ戦、8日の台湾戦と中継ぎに回ったが、いずれも失点した。

 だが田中は、投げるたびに投球への手応えはつかんでいる。特にキューバ戦では、2回を投げて6三振を奪っている。「結果は出ていないですけど、状態はよくなっている」。その上で決勝トーナメントに向けて「しっかり(試合に)臨めるように気持ちを整えていきたい」と気を引き締めた。

 山本監督は、準決勝で前田を先発させることを明言している。決勝については「胸の中にはある」とだけ言い、名前は明かさなかった。だが、この大会でエースに指名した田中が頭の中にあることは間違いない。大舞台でのばん回のチャンスは十分ありそうだ。

 10日オランダ戦に先発した前田には刺激を受けた。同い年でともに88年会の震災プロジェクトを行っている仲間に「本当にすごいと思いました。完璧でした」。マエケンに後れをとるわけにはいかない。日本中で応援してくれている人のため、そして被災地のため、決勝で快投を見せる。

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