日本ハムは１１日、中田翔内野手（３２）が４日のエキシビションマッチ・ＤｅＮＡ戦の試合前、同僚選手１人に対し、統一選手契約書第１７条（模範行為）に違反する暴力行為を働いたとして、出場停止処分を科したと発表した。東京五輪で侍ジャパンが金メダルを獲得し、１３日から後半戦が再開されるというタイミングに激震が走った。

　　球団は１１日までに中田本人、暴力行為を受けた選手、事情を知る選手、スタッフへの調査を進め、被害選手が今回の件を大事にしたくないと申し出たこと、中田も深く反省しているという諸事情はあるにせよ、中田の行為は統一契約書第１７条に違反し、野球協約第６０条（１）の規定に該当するものと認定したため、中田に対して当面の間、１、２軍全ての試合の出場停止処分を通達した。

　日本ハムの栗山英樹監督（６０）が１６日、同僚に対する暴力行為で球団から出場停止処分を受けた中田翔内野手（３２）の問題について、神戸市内で発覚後初の取材に応じた。自らの責任について謝罪したほか、今季は１軍に復帰させないとの見解を示した。
　１１日の処分発表後、栗山監督は事の重大性を鑑みてコメントを控えていたが、気持ちの整理がついたということでこの日に対応。ファンや球界、社会への責任も感じており「誰が一番悪いのかと言ったら監督である私自身。ひたすらすいませんでした、申し訳ありませんということしかない」と陳謝した。

　自宅謹慎中の中田の今後については「正直、（今季の）このチームは難しいかなっていうのはちょっと思っていて。今すぐチームに帰ってきてどうのこうのという話ではない」と今季は中田抜きで戦う方針を表明。今後他球団でプレーする可能性を聞かれると、まずは球団の判断とした上で「もしかしたらいろいろなこと、全てのことが可能性なのかもしれない」と否定しなかった。

　巨人は２０日、日本ハムの中田翔内野手（３２）のトレードに合意した。この日、両球団を通じて発表された。

指揮官は、中田の今後の野球人生を考え、一肌脱いだようだ。監督自らが他球団へ積極的に中田のトレードを働きかけたとみられ、今回の恩情トレードがまとまった。
　なお、日本ハムによれば、野球協約第６０条（１）項を適用し「出場停止選手」としていた処分は、２０日をもって解除したと発表した。