広島・新井監督「我慢」も 自力CS消滅、3位DeNAと6差 6連敗で悪夢よぎる9月1勝7敗「粘り強くやっていくしか」
「巨人4-3広島」(10日、東京ドーム)
つらすぎる…。広島がドロ沼の6連敗で自力でのCS進出の可能性が消滅した。点を取っては取られでの競り負け。新井貴浩監督(48)は根気強く戦っていくことを強調したが、3位・DeNAとは6差に拡大した。これで9月は1勝7敗となり、月間20敗を喫した昨年9月と同様の転落劇が現実味を帯びてきた。
また転がり落ちていってしまうのだろうか-。皆に深く刻まれている昨年9月の大失速劇。あの悪夢が再度押し寄せてきたような6連敗だ。歯車がかみ合わず、打開策も乏しい。「粘り強くやっていくしかないと思う。選手は頑張ってくれていると思う。粘り強くやっていくしかない」と語った新井監督の言葉も1年前と似通っていた。
幸先は良いのに…という試合展開が続いている。前カードの阪神戦から初回の先制は5試合中4度目。この日は小園の適時打と末包の犠飛で2点を奪った。四回には菊池にも4号ソロが飛び出すも、先発・大瀬良がキャベッジ、岸田に一発を浴びてリードを守り切れない。指揮官は「点は取るんだけど、そこらへんがうまくかみ合っていない状況が続いているかなと。そこは我慢して…」と歯がゆさをグッと押し殺した。
勝ち越す好機はあった。六回は2死一、三塁までこぎ着けるも会沢が一飛。八回は大勢を攻め立て2死一、二塁としたが、佐々木は力ない左飛に終わった。「あそこは代打というのは全く考えていなかった。経験してもらいたい。あそこで打てなくても、成長していくためにも必要なことかなと」。そんな新井監督の思いに応えきることができなかったルーキーは悔しげに天を仰いだ。
結局、3-3の八回に島内が先頭への四球から1死満塁のピンチを招き、代打・坂本に勝ち越しの左犠飛を献上。これでチームは今季4度目の6連敗となり、3位・DeNAと6差、4位・中日とも1・5差という危機的状況を迎えた。
昨季は9月26日だった自力CS進出の可能性消滅が、今季は10日以上早い9月10日に訪れた。負け投手となった島内は「しっかり気持ち入れて次から投げられるように頑張ります」と諦めない姿勢を強調した。
2016年9月10日は東京ドームでカープが25年ぶりにリーグ優勝を果たした日だった。黒田、新井が涙を流した、あの歓喜からちょうど9年後、同じ場所でカープナインは打ちひしがれた。あの時のような勢いは今のチームにはないが、まだCSへの希望はある。わずかでも可能性がある限り、戦い続けなければならない。





