広島OBの安仁屋宗八氏 阪神・大竹を打ち崩せない打線にカツ!直球の少ない栗林には強烈なカツ!!
「広島1-3阪神」(9日、マツダスタジアム)
広島がまたしても軟投派の大竹を打ち崩せず、首位阪神との差は今季最大の8・5に開いた。デイリースポーツ評論家の安仁屋宗八氏は工夫のない広島打線に“カツ”を入れる一方で、八回に登板した栗林の投球内容にも「ストレートが少なすぎる」と強烈な“カツ”を入れた。
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もう何回、大竹にやられているのか。歯がゆいね。いつもノラリクラリと投げられてタイミングを外され、そのままズルズル。前半で引きずり下ろしたいのに、結局は阪神得意の継投に持ち込まれてしまった。こうなると苦しい。
大竹の特長は遅い球でカウントも取れるし、決め球にも使えるところ。しっかりストライクを取ってくるから振らないわけにもいかない。それだけに対応が難しく、中途半端な打撃が目立つし、ボール球にも手を出す。打たされているという感じだった。
しかし、ずっと同じことを繰り返していてはまったく芸がない。
一方、先に点を与える形になった大瀬良だが、六回までの投球は悪くなかった。ひとつだけ指摘しておきたいのは七回、森下に右中間三塁打を浴びて3点目を失ったシーン。つまりカウント2-2後の5球目の選択だ。
あそこでなぜもう1球、内角へ投げなかったのか。2球目と同じ内角の直球で勝負してほしかった。森下が右方向へ意識を変えていたのが見えていただけに悔やまれる。
さらにもうひとつ、言っておきたいことがある。それは八回に登板した栗林について。
(この試合、栗林は負けている展開にもかかわらず、八回に3番手として登板。2安打と2四球を与えながらも盗塁死に助けられ、無失点で切り抜けた)
どうもストライクとボールがハッキリしていてコントロールに苦しんでいた。
二死後に四球、四球。そしてヒット。どうしてこうなってしまうのか。それは変化球に頼りすぎているからですよ。
栗林はスライダー系を覚えて以降、投球で楽をし始めている。変化球を投げるのは体力的にも楽だからね。でも、それではいけない。
この試合でも150キロが出ていたのだから、もっと自分の武器であるストレートを使うべき。栗林は打たせて取る大竹とは違い、全力投球タイプ。なのに変化球を多投していては先細りになるだけ。いざというときに困る。
(この試合の栗林の投球数は29。そのうち直球は11球だった)
元来、直球とフォークで打者を打ち取るタイプ。それが今ではスライダー、カット系の変化球投手みたいになっている。
“楽”へ走ってはダメだ。栗林という投手は常に全力投球を心がけないと持ち味を出せない。そう思い直すことだ。





