広島・新井監督「毎回同じようにやられている」 天敵・大竹また攻略できずマツダで9連敗 27年ぶり阪神戦7連敗の屈辱

 9回、菊池が三振に倒れゲームセット。ベンチからグラウンドを見つめる新井監督ら首脳陣(撮影・田中太一)
 同点となる適時二塁打を放つ菊池。投手大竹
 2回、二塁打を放つ坂倉
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 「広島1-3阪神」(9日、マツダスタジアム)

 痛すぎる連敗だ。広島は阪神に競り負けて8・5ゲーム差に広げられた。阪神戦は7連敗となり、シーズンをまたがない記録では1998年以来27年ぶりの屈辱となった。天敵の大竹にはマツダスタジアム9連敗。負の数字ばかりが並び、勝率は5割に逆戻りした。10日の一戦こそ心血を注ぎ、同一カード3連敗だけは阻止したい。

 見慣れた光景が本拠地に広がっていた。暗いトンネルの出口は、まだ見えない。虎の背中が遠のき、天敵・大竹にまたも白星を献上。27年ぶりの阪神戦7連敗となり、新井監督は「ずっと、やられているんでね。毎回、同じようにやられている。また次の試合。それしかないよね」と言葉を絞り出すしかなかった。

 せめてもの意地は示したが、相手を土俵際に追い詰めることはできなかった。1点を追う二回は2死から坂倉が右翼フェンス直撃の二塁打。続く菊池が左翼線へ適時二塁打を放ち、一時は試合を振り出しに戻した。

 だが、三回から五回までは大竹のペース。タイミングを外され、力のないフライアウトで凡退する場面が目立った。痛い拙攻も相手に流れを明け渡す引き金になった。

 1点を追いかける六回は先頭の野間が中前打で出塁した。続く中村奨の初球に野間がスタートを切るも、中村奨は空振りに終わって野間も二盗失敗。好機の芽が一瞬にしてしぼんでしまった。

 作戦的にはエンドランとみられ、指揮官は「ストライクなんでね。あまり作戦面のことは言いたくないけど、ストライクなんで…。何とかしてほしいところ」と指摘し、中村奨本人は「もちろん(バットに)当てないといけない。それだけ」と悔しさをにじませた。

 六回はその後、2死からファビアン、小園の連打で一、二塁と再び反撃の機運を高めた。ここで大竹をマウンドから引きずり降ろしたが、5番・モンテロが湯浅の前に空振り三振。本拠地にため息が充満した。大竹には通算16試合で1勝12敗、マツダスタジアムでは9連敗と不名誉な記録が上塗りされてしまった。

 モンテロは5月17日の阪神戦(甲子園)で大竹から来日初本塁打を放っていた。相手左腕との相性も踏まえて5番に据えたかと問われた新井監督は「それだけじゃない。いろいろ。それはちょっと言えないけど。普通にやっても厳しいので、いろんなことを考えてモンティーを5番に」と説明したが、その言葉には苦悩の色がうかがえた。

 リーグ戦再開後は最大3得点で、この日も1得点と活気が影を潜めた赤ヘル打線。10日の一戦こそ総力を結集させて、カープの意地を刻み込む。

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