広島・床田 さすが左のエース!両リーグトップ5度目の完投 防御率12球団トップ今井に投げ勝った「最後以外は良かった」

 完封勝利を逃し、悔しそうな表情を浮かべる床田(右は坂倉)=撮影・市尻達拡
 114球と力投する床田
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 「広島5-2西武」(7日、マツダスタジアム)

 さすが左のエース!広島・床田寛樹投手(30)が114球の熱投で、6勝目をマークした。今季4度目の完封を狙い、九回のマウンドに上がるも2失点して苦笑い。それでも11試合目の登板で両リーグ1位となる5度目の完投を果たした。この試合まで12球団トップの防御率0・83だった西武・今井にも投げ勝った。チームは連勝で5カードぶりの勝ち越しを決めた。

 本拠地の大歓声が注がれる中で2度、首をかしげて苦笑いした。今季5度目の完投も悔しさが上回るかのような振る舞いが頼もしい。「最後以外は良かったと思います。まあ、勝てたので良かったです」。床田は大粒の汗を滴らせながら114球の熱投を振り返った。

 積極的にスイングしてくる西武打線に対し、四回までは1安打投球で球数はわずか40球。「何か運よく回ったというか、ラッキーでした」と決して調子が良くない中でも、それを感じさせない巧みな投球術でアウトを積み重ねた。

 5点リードの九回も当然のようにマウンドへ。先頭の源田に中前打を浴び、「うわ~みたいな感じで、そのままいっちゃった」。3連打を許し、球団では1999年の佐々岡真司が5完封して以来の1シーズン4完封は逃した。それでも8安打無四球2失点で12球団トップの5完投。自身5連勝中だった今井にも投げ勝ち、チームトップの6勝目を挙げた。

 捕手のサインに首を振るかどうか-。その判断は1球ごとに投手に委ねられる。床田は「ここぞの場面以外は(首を)振らないです」と決めている。それは捕手への信頼と、自身の迷いを断つための覚悟から生まれた。

 「たまに、ん?っていうサインもあるんですけど、僕がそう思うってことは打者も頭にない球種やコースだということ。だから、『ああなるほどね』みたいな感じで、納得して投げてます」と自身のスタイルを明かす。

 この日、左腕が勝負どころと読んだのは、八回2死二塁だった。打席には西川でカウント2-2からの7球目。首を振って選択したのは、外角低めのスライダーだった。「体勢は崩れるだろうと。(カウント的に)ボールでも良かった」と投じた1球に西川のバットは空を切った。「(ストライクゾーンから外れた)変なところにいきましたけど、(坂倉が)腕の振りがすごく良かったと言ってくれていた。そのおかげかなと思います」と振り返った。

 チームは連勝し、5カードぶりの勝ち越し。交流戦の成績を3勝2敗とした。昨季は完投がなかった左腕が、フル回転でチームを支えている。「今年はいいペースで投げられているのかなと思います」と充実感を漂わせた。進化を遂げた左のエースが、力強くチームをけん引していく。

 ◆広島投手のシーズン完投記録 床田が両リーグトップとなる5完投。広島の投手としては11完投をマークした2005年の黒田博樹以来となるシーズン10完投以上が十分に射程圏内に入るペースで完投数を重ねている。また、左腕では95年の川口和久(11完投)以来となるシーズン10完投以上の期待もかかる。なお、球団記録は55年の長谷川良平の32完投。(記録はすべて1950年の2リーグ分立以後)

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