広島・床田 奪三振0で今季2度目完封 「止められるだろう」有言実行2時間で連敗止めた!新井監督「本当に床田さまさま」
「広島2-0中日」(3日、マツダスタジアム)
あっぱれ!広島の床田寛樹投手(30)が今季2度目の完封勝利。わずか3安打しか許さず、二塁を踏ませない圧巻の投球で3勝目を挙げた。0奪三振で完封という球団では43年ぶりの珍記録も達成。チームの連敗を7で止めた快投に、新井貴浩監督(48)も賛辞の言葉を贈った。
最後の打者を中飛に打ち取ると、ようやく床田の表情が緩んだ。坂倉とがっちり握手を交わし、野手陣とハイタッチ。お立ち台後は、10日ぶりの勝利に興奮気味の鯉党から注がれる床田コールに帽子を取って応えた。チームの連敗を7で止める今季2度目の完封勝利。「しっかりと最後まで投げられてよかったです」と快投の余韻に浸った。
4連勝中だった中日打線を翻弄(ほんろう)した。許した安打は3本のみで二塁を踏ませず。普段は走者を背負った場面でギアを上げるが、この日は初回から148キロを計測するなど気合十分。「思ったよりスピードが出ていた。途中でカーブを投げたり、(球速を)上げたり下げたりして、いい感じに操れた」と、試合時間わずか2時間でシャットアウトした。
珍しい記録も達成した。0奪三振での完封はNPBでは13年の西武・牧田以来、12年ぶり。球団では1982年の山根和夫以来、43年ぶりとなった。「ピンチじゃない時は三振はいらないと思っているので、理想通りというか、リズム良く投げられた」と真骨頂の打たせて取る投球で27個のアウトを積み重ねた。
有言実行の1勝だった。昨年9月、チームは月間20敗を喫し、首位から4位に転落した。「止めなきゃいけなかったですね」と振り返るように、床田自身も4試合に登板し0勝3敗、防御率5・14と悪い流れにあらがうことができなかった。
開幕前にはその悔しさを胸に「たぶん今年もローテを回ってると同じような場面って絶対あると思うので、その時は『俺が止めてやる』って投げると思います」と宣言。そして、チームが7連敗中で迎えたこの日、「止められるだろうと思ってました」と文句の付けようがない投球で連敗脱出へ導いた。
投手陣を助ける完封でもあった。新井監督は「連敗中だったし、9連戦のちょうど間で完封してくれた」と脱帽し、「本当に床田さまさまです」と賛辞を贈った。
チームも5月初勝利となり、「ここからどんどん勝てるように精いっぱい頑張ります」と口元を引き締めた床田。長かったトンネルを抜け、狙うのは“鯉の季節”の快進撃。安定感抜群の左腕がチームを支えていく。





