広島が長期遠征前半5勝1敗で折り返し マクブルーム今季初の満塁弾 前日九回に代打送られるも「チームとしていい判断」

 7回、満塁弾を放ったマクブルームはナインに迎えられ歓喜する(撮影・田中太一)
 7回、左越えに満塁弾を放つマクブルーム(撮影・佐々木彰尚)
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 「巨人2-7広島」(14日、東京ドーム)

 広島のライアン・マクブルーム内野手(31)が、今季初の満塁弾を放って試合を決めた。1点リードの七回2死満塁で、左翼席へ3号グランドスラム。13日には九回に代打を送られていた中、主砲の意地を示した。チームは今季初の2カード連続勝ち越し。長期遠征前半を5勝1敗で折り返し、2位のDeNAには1・5ゲーム差に迫った。

 一塁ベースを回ったところで、思い切りほえた。大歓声が耳をつんざく。この瞬間のために全てを懸けてバットを握っている。相手に絶望感を与え、自軍に高揚感をもたらした最高の一撃。マクブルームが今季初の満塁弾で、勝負を決めた。

 「ジャイアンツのような素晴らしいチームを相手に本塁打が打てて、自分の本塁打で勝ちを持って来られたことに興奮するよ」。胸の高ぶりを表現しながら白星に酔いしれた。

 1-0の七回2死二、三塁。3番・秋山が2ボールから申告敬遠となり、全ての塁が埋まった。「いつでも、前の走者が歩かされると(普段以上に)モチベーションになる」。燃える思いをバットに乗せ、4球目のチェンジアップを拾った。打球は左翼スタンドギリギリに吸い込まれ、昨年5月20日・中日戦以来となる来日2本目のグランドスラム。巨人を沈め、赤い人波を熱気に包んだ。

 前日13日には、1点を追う九回の攻撃で代打を送られた。その回、代打・松山の二ゴロの間に同点。「チームとして、いい判断だったと思う。監督として非常に信頼している。(監督が)正しい選択をした、と自分としては思う」と勝利に徹するチーム方針を当然のように受け入れ、フラットな気持ちで新たな試合に挑んだ。

 新井監督も「悔しい思いは間違いなくあったと思うけど、彼は本当にフォア・ザ・チームのスピリットをすごく持っている選手。そこは理解してくれていると思う。本当に大きいホームランでした」と、常に献身的な姿勢をリスペクトしながら賛辞を贈った。

 昨年は母の日の一戦で2打席連続本塁打。今年も大切な一日にアーチを描いた。米国の母親には花を贈り、ビデオ通話で感謝の思いを伝えた。少年時代は週末になると、用意してくれる朝食のにおいが鼻をくすぐった。「卵やベーコンを焼いてくれる。そのにおいで目が覚めて、たくさん食べる。それが今では、いい思い出」。愛情のこもった手料理を、笑顔で懐かしんだ。

 チームは今季初めて2カード連続の勝ち越し。長期遠征前半は5勝1敗で、8日時点で4勝10敗だったビジターでの星勘定も9勝11敗と盛り返してきた。16日からは1・5ゲーム差で追う2位・DeNAと3連戦。家族思いで心優しい主砲が上位追走の主役になる。

 ◆昨年も母の日に猛打 マクブルームは昨年の母の日だった2022年5月8日・DeNA戦で来日初の2打席連続本塁打を含む5打数4安打4打点。三回に右前打、四回に左翼線適時二塁打、五回に3号2ランを記録。三塁打を打てばサイクル安打達成の状況で迎えた七回の打席は4号ソロだった。

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