カープ打線38年ぶり1イニング12得点 V逸回避&逆転CSへ阪神と0・5差

 「ヤクルト7-15広島」(10日、神宮球場)

 広島が日本一に輝いた1984年以来、38年ぶりとなる球団タイ記録の1イニング12得点で、連敗を2で止めた。三回に堂林翔太内野手(31)と坂倉将吾捕手(24)が3ラン、さらに上本崇司内野手(32)がプロ初本塁打を放った。負ければ優勝の可能性が消滅した一戦で、息を吹き返した赤ヘル。3位・阪神に0・5ゲーム差に迫り、逆転CSへ希望をつないだ。

 快音とともに、驚嘆の声がスタンドから上がる。打球がフェンスを越えるたび、赤く染まった左翼スタンドが揺れに揺れた。果たしたのは今シーズン、そして3年越しの“リベンジ”。神宮での今季最終戦で、敵地の鯉党に最高のフィナーレを用意した。

 三回、1点を勝ち越しなおも2死満塁で野村が右前に2点適時打を放った。続く堂林は打った瞬間に本塁打を確信する8号3ラン。束になって相手に襲いかかる勢いは、もう止まらない。

 なおも2死一、二塁からは坂倉が左翼席に14号3ラン。そしてプロ10年目の上本が、初球を左越えにプロ初本塁打を突き刺した。この日は秋山が出場選手登録を抹消され、菊池涼とマクブルームがベンチスタート。佐々岡監督は「皆がチャンスをつかもうと思ってやっている。結果を出してくれたのは大きい」と目尻を下げた。

 怒とうの1イニング12得点は球団タイ記録で、1984年5月30日のヤクルト戦以来、38年ぶり。栄光の日本一に輝いた年に重なる猛攻で、首位チームに意地をぶつけた。

 指揮官は「つながって効果的に一発でビッグイニングになりましたが、こういう次の日は(打線が)沈黙するので。つなぐ野球というのは選手にもしっかりと言って。今までと同じ野球をする」と表情を引き締めた。

 今季、ヤクルトには2年連続での負け越し。相手の主砲・村上にはここまでリーグ最多タイの13本塁打を献上していた。よみがえるのは苦々しいシーンばかり。春先から辛酸をなめさせられてきた中、各選手が鬱憤(うっぷん)を晴らした。

 ヤクルトには2019年4月10日(マツダ)の対戦で、延長十回に一挙12失点。かつての屈辱を拭い去る白星にもなった。負ければ優勝の可能性が消滅していた中、15得点。3位・阪神とは0・5ゲーム差に肉薄した。Aクラス入りでCSを勝ち上がれば、84年のような頂点の座も決して夢物語ではない。中秋の名月を彩った赤ヘル戦士の奮闘が、逆襲への合図になる。

 ◆球団タイ!1イニング12得点!! 広島の1イニング12得点は球団タイ記録で1984年5月30日の四回(広島)以来、38年ぶり。また広島、ヤクルトの両球団による1イニング12得点の“攻防”は今回で3度目で、19年4月10日(マツダ)の延長十回にはヤクルトが12得点を挙げていた。

 ◆1イニング3発! 広島の1イニング3本塁打は球団史上40回目で、2020年10月3日・ヤクルト戦(神宮)で長野、大盛、松山が記録して以来、2年ぶり。

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