広島・森下 大逆転CSへ闘志 巨人負けて4差 16日直接対決で先発「必死に」
広島の森下暢仁投手(24)が15日、マツダスタジアムでの投手指名練習後に取材に応じ、CS出場への望みをつなぐと意気込んだ。右腕は16日の巨人戦に先発する。逆転でのAクラス入りへ、今季最後の直接対決は是が非でも勝利したいところ。チームは10月、6連勝するなど勢いがある。粘り強い投球で勝利を呼び込み、弾みをつける。
負けられない戦いだ。CS出場への道を閉ざさないために求められるのは、勝利のみ。大一番となる16日、敵地での巨人戦。先発する森下は、いつもの静かな口調の中に強い思いを込めた。
「大事な試合。しっかり良いピッチングをして、チームの勝ちに貢献したい」
3位・巨人がこの日のヤクルト戦に敗れて9連敗。ゲーム差は4に縮まった。カープは残り9試合ながら、今季最後の直接対決で引き分けたり、敗れたりすれば、その差を縮められない。数字上ではCS出場の可能性はわずかに残るものの、厳しさは一段と増す。
森下は、前回10日の登板で後半戦は9試合目にして初白星を手にした。7回7安打無失点。5度、得点圏に走者を背負いながら、坂本を打ち取るなど粘りの投球で得点を与えなかった相手は巨人だ。
1つの勝利が右腕に与えた影響は小さくない。プロとなり、初めて直面した勝てない時期を「自分で苦しんでいたというか、考えていた部分もあったと」と振り返った。大瀬良に話を聞いてもらったこともあった。
勝ち星こそ手にできなかったが「自分の投球ができている時は大丈夫」と思えた試合がいくつもあった。そのうえで手にした1勝。「気持ち的にも楽になりました」。重い鎖がほどけたことで、充実した状態で東京ドームのマウンドに上がれる。
ナインは「諦めずに一戦一戦、戦う」と声をそろえてきた。今季、巨人とは最大15差をつけられた。その差を少しずつ縮め、シーズン最終盤に背中が見える位置にきた。
入団前から森下は「勝てる投手になりたい」と言い続けてきた。今夏の東京五輪決勝戦では、先発を任され金メダルへと導いた。大舞台での経験が、背中を後押しするに違いない。
「チームの状態もいいので、この勢いに乗っていけたら。残された試合は負けられないので、必死にやりたい」。ペナントレースの岐路。重圧をはねのけて歓喜を呼び込むとともに、もっと大きな風をもたらしてくれるはずだ。