広島・野間 ノーノーも自力V消滅危機も阻止弾! 快投のG・山口仕留め価値ある勝利

 「巨人0-1広島」(30日、東京ドーム)

 文句なしのヒーローじゃ!!広島・野間峻祥外野手(28)が値千金の今季1号ソロでチームを救った。八回1死まで巨人先発・山口の前に打線全体が無安打に抑え込まれる中で、均衡を破る一発。自身2年ぶりの本塁打で、相手右腕のノーヒットノーランを阻止した。敗れるか引き分けで自力優勝の可能性が消滅する瀬戸際で粘りを見せ、チーム6年ぶりとなる、わずか2安打での勝利。勢いに乗ってカード勝ち越しを狙う。

 一直線に伸びた打球が、敵地を支配する淡い期待を打ち砕いた。どよめきと静寂が交錯する球場の視線を一身に集めた一打。野間は一塁ベースを蹴ると、両手を叩いて喜んだ。「ヒットが出ていない状況だった。食らいついて行く気持ちで行った結果、しっかり捉えることができて良かった」。2019年7月26日・ヤクルト戦(神宮)以来、自身2年ぶりのアーチが試合を決めた。

 0-0の八回1死。山口の149キロをコンパクトに振り抜くと、打球はあっという間に右翼スタンドへ突き刺さった。チームはここまで敵失と四球による走者しか出せていなかった。ノーヒットノーラン達成の雰囲気も漂い始めた中、快挙を阻止する今季1号。まさにチームを救う救世主になった。

 ベンチ前では鈴木誠が両手を大きく広げて歓迎し、ナイン全員にもみくちゃにされた。「本当に喜んでくれて、チームが勝ったのでそれが良かったですね」。自分のことのように、みんなが祝福してくれた。それが何よりうれしかった。

 昨年、初めて先発出場したのは8月7日。同月下旬には1番でスタメン起用される日もあったが、同31日に出場選手登録を抹消された。結果を求めるあまり、当てに行く打撃も目立っていた。安打を放っても「たまたまヒットが出た形もあった」と手放しでは喜べなかった。

 意識したのは力強さと思い切り。「小手先でやろうとしていた部分があった。やっぱり相手も、振っていった方が嫌だと思う。“その場しのぎ”のバッティングではなくて」。この日の一戦、敗れるか引き分けで自力優勝の可能性が消滅していた。崖っぷちのチームを救った一発は実に力強く、仲間とファンに勇気を与えた。

 佐々岡監督も「まさか本塁打とは思わなかった。調子がいい証拠」と驚き交じりに褒め上げた。「勝つためにみんなが一緒の方向を向ければ一番だと思う。若い選手も多いし、僕ら20代後半の選手がそういう姿勢で頑張っていけば」と野間。中堅としての自覚を胸に、チームを勝利に導いていく。

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