小窪、サヨナラ打!衣笠さん命日に激勝!5連勝で4位タイ浮上!

 「広島3-2中日」(23日、マツダスタジアム)

 広島が今季2度目のサヨナラ勝ちで5連勝を決めた。2-2の九回2死満塁、小窪哲也内野手(34)が右前へプロ初のサヨナラ打を放った。4番・鈴木がコンディション不良でスタメンから外れた中での劇的勝利。最大「8」あった借金は「3」まで減った。

 白球が緑の芝生の上ではずむと、小窪は大きく両手を広げた。決して会心の当たりではない。それでも執念でもぎ取ったプロ初のサヨナラ適時打だ。「必死やった」。駆け寄るチームメートからもみくちゃにされながら、最高の笑顔の花を咲かせた。

 「当たりは何でも良かった。最後の瞬間?正直、覚えていない。勝ちたい一心。何とかチームに貢献したかった」

 2-2の九回、バティスタ、野間の連打などで築いた2死満塁の絶好機で打席へ。R・マルティネスが投じた内角高めの直球を、詰まりながらも右前へ運んだ。「前の打席で打てなかった」。七回2死三塁で遊ゴロに倒れた悔しさをバットに込めた。

 「試合が始まってみたら誠也の存在の大きさを感じた。でも勝つことしか考えていなかった」。絶対的な4番を務めてきた鈴木が、コンディション不良のためスタメンから外れた。チームは3番・長野、4番・バティスタという新打線で臨んだ。長野、バティスタといずれも得点に絡む活躍は、チームの底力を示したと言える。

 特別な日でもあった。“鉄人”衣笠祥雄さん(享年71)が亡くなったのが昨年4月23日だった。「お会いしたときには、いつも頑張れよと言ってもらいました」。ナインは思いを新たにし、昨季果たせなかった日本一を勝ち取ると強く誓った。

 17日の巨人戦(熊本)で、九回に石原の逆転打で手にした勝利から5連勝。その間、会沢がサヨナラ打を放ち、床田も快投、バティスタは4打点を挙げた。「個人的にだけどみんな勇気をもらえたと思う」。ベテランの奮起に刺激を受け、それぞれが本来の輝きを取り戻している。小窪もその1人だ。

 最大「8」あった借金は「3」まで減った。緒方監督は「週の頭からこういう形で勝てた。良いスタートができた」と振り返った。「チームが苦しいときに何とか力になりたいと毎日を過ごしてきた。力だったり、勇気だったりを与えられるようになりたい」。背番号4がそう力を込め前を向いた姿が頼もしかった。

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