広島、清宮争奪戦から撤退 球団幹部「スタイルじゃない」 広陵・中村ら絞り込み

 広島が今秋ドラフト会議で最大の注目選手である早実・清宮幸太郎内野手(18)を1位指名しないことが2日、決まった。超高校級スラッガーの争奪戦には不参加となり、1位候補は地元・広陵の中村奨成捕手(18)やJR東日本・田嶋大樹投手(21)、ヤマハ・鈴木博志投手(20)、日立製作所・鈴木康平投手(23)らの即戦力投手を軸に絞り込んでいく。

 早々と明確な方針を打ち出した。獲得を目指す球団と清宮サイドの面談がこの日、都内で行われた。将来はメジャーリーグでのプレーを夢見る超高校級スラッガーに対して、チーム状況や育成方針、さらには施設などの環境面を説明するのが目的。セ・パ10球団が清宮詣でを行った中、広島はスカウトら球団関係者を派遣することはなかった。

 ルール上は面談をしなくても指名は可能だ。しかし、広島市の球団事務所で取材に応じた球団幹部は「(面談に)行かないイコール(指名を)しないということ」とドラフト会議で清宮指名を見送る方針を明言した。

 高校通算111本塁打を放った今秋ドラフト最大の目玉からの撤退。広島は当初から清宮の才能を高く評価し、動向に注視してきた。長打力には大きな魅力があるものの、チームカラーとして俊足の選手を数多く獲得してきた球団方針を重視した。

 「清宮はものすごくいい選手だけど、うちのスタイルじゃない。スピードのある選手がほしい。現場も求めている」と球団幹部。機動力野球の継続を念頭に置きながら、総合的な判断で争奪戦不参加を決めた。

 清宮回避を受け、1位候補に高校生では今夏の甲子園で1大会個人最多の6本塁打を放った地元・広陵の中村の名前が挙がる。社会人は今年の都市対抗で2戦連続完封勝利をマークしたJR東日本の左腕・田嶋、本格派右腕のヤマハ・鈴木、日立製作所・鈴木ら即戦力投手が中心となる。

 8月中に高校生の指名候補30人を確認し、9月28日に行われたスカウト会議では大学・社会人の指名候補を23人まで絞り込んだ。どれだけ打線が強力でも緒方監督が掲げるのは、投手を中心とした守り勝つ野球だ。球団側も球団史上初のリーグ3連覇を目指す来季は、投手陣の厚みをさらに増して臨みたい思いがある。

 今後はドラフト当日までに2度、スカウト会議が行われる予定。現有戦力の分析や他球団の動向を見極めながら、1位指名を最終決定する。清宮を中心にかつてないほどの注目を集める10・26。常勝軍団の構築へ、独自路線を貫く広島の選択から目が離せない。

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