日ハム・山田スカウト顧問の新たな挑戦

 プロ野球、日本ハムの編成部門の責任者として手腕を発揮してきた山田正雄GM=ゼネラルマネジャー(70)が昨年12月31日付でGM職を退任した。大きな功績を残した同GMは、今年1月からスカウト顧問として再出発する。高齢もあり、編成のトップからは退きながらも、今後も卓越した経験で、選手の発掘、スカウト活動に球団関係者から大きな期待を寄せられている。

 他球団からもなかなか読めないと評判でもある日本ハムのドラフト戦略。その中心として指揮を執ったのが、山田GMだった。過去にも周囲をあっと驚かす指名があったのは周知の事実だ。最近ドラフトでは2011年、後に巨人入りした菅野を強行指名し注目された。翌年の2012年にはメジャー行きを表明していた大谷を指名。どちらの選手も現在の活躍を見ると、眼力は間違っていないことが分かる。

 絶対に欲しいと思った選手は信念を持って指名する。全身全霊を傾けて、金の卵を追いかけてきた。11年、菅野が入団を拒否した翌年に日本ハムは大谷を指名した。

 当時について「前年のこともあるから、入団しないことは許されないというプレッシャーはありましたね」。指名直後は入団は絶望的とまで言われていた。大谷が入団した今だからこそ笑って振り返る山田氏だが、入団拒否の場合は辞任する覚悟をも持って臨んでいた。入団交渉で誠心誠意、計4回の交渉を経て入団へ。現時点でメジャーに行くのは時期尚早、ある程度実績を残してからでも遅くないと熱く訴えかけてきた熱意が実った。精神力、バイタリティーには敬服させられる。

 70歳という高齢ながら、周囲が目を見張るほどの体力、行動力が好素材指名の原動力となっている。昨シーズン中のことだった。札幌の球団事務所へ立ち寄る山田氏と、最寄りの福住駅でバッタリ遭遇。重たそうなキャリーバックを引きながら歩く山田氏に同行させてもらった。体力の源について「今も近所のスポーツジムへ行って体は鍛えているよ。脳とか目も大事だからね」と話していた。

 昨年、古希を迎えたとは思えないほど、仕事のために節制することを惜しまない。「食べるものも気をつけないとね」。見習わなければと思った。

 失礼な言い方だが、老いてもなお衰えない体力、気力。球団仕事納めでのあいさつ時、球団職員の前で「アマスカウト界のレジェンドを目指したい」と所信表明をしたという。

 山田氏は「掘り出し物を見つけてやろうかと燃えてます。80歳ぐらいまで頑張ってやろうと思ってます」と言う。今年、さらに来年以降も卓越した眼力で、将来の有望株を発掘することに期待していきたい。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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