大竹、バレに55号被弾も勝ちは譲らん!

 「ヤクルト2-6広島」(11日、神宮)

 広島・大竹寛投手(30)が7回5安打1失点で8勝目を挙げた。バレンティンに日本プロ野球記録の55号本塁打を浴びたが、援護もあり好投。今季0勝3敗の苦手、ヤクルトから5年ぶりに勝利を挙げ、チームの連勝に貢献した。

 球史に残る一発を打たれた。6‐0の六回2死で、大竹はバレンティンを迎えた。3球目、この日最速の147キロ外角球を、豪快に右翼席に放り込まれた。プロ野球記録の55号本塁打。マウンドで痛恨の表情を浮かべた。

 異様な盛り上がりの神宮で、3打席とも真っ向勝負を挑んだ。一、三回は走者を置き、いずれも遊ゴロに斬った。だが六回の打席は仕留められた。この一発で、大竹はバレンティンに4被弾。11球団で最多だ。またチーム別でも広島が最多の14本を浴びている。

 「絶対に打たれたくなかった。コースには行ったけど、球が高かった。相手が上だった」と悔やんだ。それでも7回を投げた大竹が失ったのは、この1点だけ。試合は完勝だった。8月21日の中日戦(ナゴヤドーム)以来の8勝目(9敗)。今季5戦0勝3敗だったヤクルト相手に08年以来、5年ぶり白星を挙げた。「勝ったのが一番。あの1失点で済んで良かった」。今、何より欲しい勝利に、満足げな表情を浮かべた。

 昨季は得意とした夏場に6連敗を喫した。「もう30歳。勤続疲労ってあるのかな」と、悩んだころの7月29日。元ソフトバンク投手・斉藤和巳氏の引退会見をTVで見た。

 大竹と同じく長く右肩を故障。治療院で会った際は言葉も交わした。画面に向かい「お疲れさまでした」と、思わず声をかけていた。「リハビリに6年。考えられない。つらいんですよ、本当に。周りの期待に応えたくてもできないのが…」。自身も10年から丸2年苦しんだ。復帰がかなわなかった斉藤氏を思えば、弱音など吐けなかった。

残り全部勝つ 「この時季に体が万全な投手なんていない」。状態は一進一退ながら「腕を振って投げられた」とこの日の95球に復調への確かな手応えはある。

 チームは連勝し、4位・中日とのゲーム差は2・5のまま変わらず。野村監督は「寛(大竹)は粘り強く投げた」と高く評価した。「残り試合、全部勝てるように」。勝負の9月戦線、大竹がマエケンに続く柱となる。

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