劇的大逆転の有明「できないときは負けるとき」九回1死の二盗敢行→攻めの姿勢が流れ変える「小さい力でも一生懸命やることが」の高見監督「涙が出そうに」
「全国高校野球選手権・1回戦、有明6-3立命館宇治」(7日、甲子園球場)
初出場の有明が1点を追う九回2死からの逆転勝利で初戦突破。甲子園のスタンドが有明を後押しする中での逆転勝利だったが、球場の空気を変えたワンプレーがあった。
九回、1死から栄井が敵失で出塁。一塁へ果敢なヘッドスライディングを見せた。続く坂本の打席で1ストライクからの2球目、二塁へスタートを切った。
栄井は同点のランナー。アウトになれば一転して2死走者となる。重圧がかかる中だったが、攻める姿勢を失わなかった。坂本がファウルを打ったため一塁に戻る形となったが、ここから暴投で二塁に進むと一気にスタンドのボルテージが上がった。
その後、2死満塁と好機を広げ、永田が左中間へ走者一掃となる逆転二塁打。さらに三盗が相手捕手の悪送球を呼んでダメ押しの6点目を奪った。
試合後、有明の高見監督は攻撃の指示は?と問われ「出してません」ときっぱり。「選手たちがデータを出しているので狙いは自分たちで決めていく。盗塁もそうです。サインはバントくらい」と明かした上で「(土壇場でも盗塁)できないときは、負けるとき。チャレンジしないとということは言ってきました」と説明した。
負ければ夏が終わるという状況でも、攻めの姿勢を失わなかった有明ナイン。これもスタンドの大声援を呼び込む一因となった。過去の大会を見ても、終盤にビハインドを背負ったチームが果敢な反撃を見せた時、甲子園のスタンドは一気に背中を押してくれる。
高見監督は「ありがたくて…。球場に取らせてもらった4点ですね。全員が手をたたいてくれて感動しました。来て良かったと思いましたし、涙が出そうになりました」と語った。逆転のシーンは甲子園が揺れるほどの大歓声が球場を包んだ。試合前のミーティングで「少しでも自分たちの頑張っている姿に熊本の皆さんも勇気を持ってくれればと。『小さい力でも一生懸命やることが大事』と伝えました」と明かした指揮官。その一生懸命さが甲子園の空気を変えた。
