広陵が再出発星 23点五回コールド 報道陣20社以上集結 松本新監督「応援してもらえるチームに」

 ベンチから声を出す広陵・松本監督(奥右)(撮影・市尻達拡)
 試合後、取材に応じる松本新監督(撮影・市尻達拡)
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 「秋季高校野球広島大会・地区予選2回戦、広陵23-0油木」(30日、広陵グラウンド)

 部内暴力が発端となり、甲子園球場で開催された全国高校野球選手権大会を途中で出場辞退した広陵が、五回コールドで初戦を突破した。指導体制が変わり、1、2年生の新チームで再出発。松本健吾新監督(34)は「応援されるチーム」を合言葉に前へ進んでいく。

 最後まで全力でグラウンドを駆け回った。地区大会初戦に報道陣が20社以上も集まり高い注目を浴びる中、広陵ナインは勝利だけを追い求めていた。曽根丈一郎主将(2年)は「とにかく目の前の試合を勝ちきることを意識していた。まずは勝てて良かったです」と終始、引き締まった表情のまま取材に対応した。

 試合は序盤から打線が爆発。主導権を握ったまま23-0で圧勝した。新チームになって初の公式戦。曽根主将は「特別緊張はなかったんですけど、いい緊張感を持って試合に臨めたと思います」と手応えを口にした。

 1月に当時の2年生部員による暴力事案があり、夏の甲子園直前に交流サイト(SNS)で情報が拡散。1回戦勝利後に出場辞退してから約3週間。新チームは指導体制を一新して今大会を迎えた。試合後の取材は試合に関するものに限定された中、同校で6年間コーチを務め、新監督に就任した松本氏は「応援してもらえるようなチームにというのは常々言っております」と選手に伝えていると明かした。

 31日は沼田と対戦。勝利すれば県大会の出場が決まる。「全員が自分の役割を考えてできるようなチームにしていきたい。目の前の試合を一つ一つ勝って、最終的には日本一になりたいと思います」と曽根主将。一歩ずつ、着実に。新生・広陵が歩む再起への道に注目が集まる。

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