「今のままじゃ難しいよ」巨人・田中将を奮い立たせた久保コーチの言葉
「ヤクルト1-7巨人」(21日、神宮球場)
ついに偉業に王手をかけた。試合後、スタンドから「マー君!」と盛大なコールが起こり、巨人・田中将大投手は何度も笑顔で応えた。5回を3安打1失点で日米通算199勝目に到達。「勝ててうれしいです。ここまで2軍での暮らしも長かったですし、応援してくれる方々の期待にも応えたいなと思っていた」としみじみ語った。
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「今のままじゃ難しいよ」。その一言から、再び師弟の復活への道が始まった。2軍生活も3カ月に及ぼうとしていた7月下旬。久保巡回投手コーチは行き詰まりを見せていた田中将に、その言葉を掛けたという。
2月の春季キャンプから二人三脚で取り組みを続け、ある時期からは田中将の自主性に委ねて推移を見守ってきた。だが…。「自分で立ち向かって、いろいろとやったが最後が詰まってしまった部分が見えた。ここで話すべきだろうと」。久保コーチはそう振り返る。
「諦めてないよね?俺は諦めてないよ」。その問いかけに田中将は「大丈夫です。やります」と答えた。縦回転の体の使い方など改善点は変わらない。だが、田中将の吸収度は格段の違いを見せた。7月30日の2軍・ヤクルト戦で5回1失点の好投。そして1軍復帰の切符をつかんだ。
どのタイミングで、どんな言葉を掛けるか。最も難しい要素だ。それでも「菅野くんの時も経験させてもらっているのでね。そこをコーチが見逃したらアカンから」と名伯楽は笑う。2人の諦めない思いが、未来へつなぐ1勝となった。(デイリースポーツ巨人担当・中田康博)





