【野球】巨人・桑田2軍監督が掲げた「田中将復活のポイント」 2軍戦6失点も「良いボールいっぱい」 結果で見えない前進
1軍復帰を目指して2軍でのマウンドを重ねる巨人・田中将大投手(36)。25日のイースタン・リーグのDeNA戦では4回2/3を14安打6失点と打ち込まれたが、桑田真澄2軍監督(57)は結果とは違う評価を右腕に下した。田中将の完全復活へ、桑田2軍監督が掲げたポイントとは-。
厳しいか…。その投球内容を見て率直にそう感じた。1軍から5選手がゲーム参加していたとはいえ、2軍のDeNA打線に先発全員安打、毎回連打を許して五回途中6失点降板となれば、1軍復帰の画は描けない。
田中将も「メリハリがなかった感じ。勝負球が厳しく行ききれなくて、相手のバランスを崩すことができなかった」と投球を振り返っていた。
前回18日のロッテ戦(Gタウン)では6回5安打無失点。「左右両サイドにしっかりと投げ分けもできた。理想的なアウトを積み重ねられた」と手応え十分の内容だ。戸郷が不調での2軍再調整となっているだけに、2戦続けての好投は田中将の1軍復帰を手繰り寄せるものになる期待もあった。それだけに、この日の投球は“その日”が遠のいたように感じた。
だが、桑田2軍監督の評価は少し違う。「良いボールはいっぱいあった。申し訳ない守備もあったので。一、二回は普通に守っていたら0点で済んだ。ずっとハードラックだったよね」という。
確かにカウント球は直球を含めて低めの両サイドに制球されている球もあった。初回1死一塁で梶原の一塁線の打球も一塁手・ティマがさばけていればという当たりではある。その中で桑田2軍監督が課題としたのは「スプリットの改良」と「勝負球の集中力」だ。
「変化の仕方ですよね。アウトローの直球も出てる。インサイドの球の使い方もいい。あとはスプリットの改善だけ」と説明。そして「打ち取ったのがヒットになったりして、少し集中力が続かなかったのかなと見ていた」という勝負球の集中力。今後、1軍で戦えるかのポイントとなる。
打たせて取る投手へのモデルチェンジへ、5月2日の2軍降格以降は桑田2軍監督から低めへの制球力、特に「本物のアウトロー」と称す外角低め直球の精度を課題とした。その点に桑田2軍監督は「十分じゃないですかね」と太鼓判を押す。結果だけでは見えない前進が、そこには共有されているのだろう。
ただ、やはり結果の積み重ねは重要だ。1軍では西舘が交流戦で2勝を挙げ、横川は2軍の好結果を経てロングリリーフとして奮闘中。これを飛び越えれば、競争の原理は崩壊する。焦る必要など無い。新たなスタイルを確立し、結果も積み重ね、大記録へ向けて再び大観衆の前に帰ってくる田中将の姿を待ちたい。(デイリースポーツ巨人担当・中田康博)





