聖隷クリストファーの上村監督 昭和・平成・令和の3元号星「この学校はなかなか甲子園に出られなくて。小さい子ばかりでも勝てると証明したかった」
「全国高校野球選手権・1回戦、聖隷クリストファー5-1明秀学園日立」(9日、甲子園球場)
初出場の聖隷クリストファーが快勝し、甲子園1勝目を挙げた。上村敏正監督にとっては浜松商、掛川西を率いた昭和・平成と、今回の令和で3元号白星となった。
2-1の八回1死一、三塁で初球にセーフティースクイズを決めるなど、この回3得点。投げては高部が4安打1失点で完投した。
「うちは高部がどれだけ抑えるか。もう1人の上田と2人でどれだけ抑えるか」と2年生左腕をたたえた上村監督。「打つ方は全く期待していないと思ってますから」と笑ったが終盤の集中打には「クリーンヒットじゃないようなヒットばかりですもんね。でも点が入るということは良かったのかな。ピッチャーも含めて全部不安だったんですけど、とにかく思い切ってやってくれということで、生徒が頑張ってくれたんじゃないかな」と振り返った。
長い監督生活の中で、この日の1勝は「今までとは全然違う感じですね」という。「若い頃なんかは本当にイケイケで。自分も選手として甲子園で勝って、なんか浮かれ気分でやっていたような感じもするけど、今は全然重みが違う。勝たなきゃいけないよっていうんじゃなくて、こんな大舞台、誰もが憧れる場所でやれることを楽しんでくれと今日は言ったんですけどね」と冷静に話した。
3元号での勝利については「そんなの長くやってりゃ誰でもできるんですよ」と言ったが、すぐに「でも、そうですね。出られない方だっているわけですから」としみじみ。聖隷クリストファーは22年センバツで選考漏れの不運も経験しただけに「本当にこの学校はなかなか甲子園に出られなくて、やっとの思いで出てきて。なんとなく見栄えは良くないけど、試合やると勝つなっていうチームだっていうことを皆さんに知ってもらいたいなって」と話した。
続けて「個々の能力はすごい選手がいるわけではない。高部はいいと思うんですけどね。バッターは体が小さい子ばかりなんで。そういうのでも試合は勝てるというのを証明したかった。だからうちの学校にとっては大きな1勝ですし、うちの聖隷っていう名前がついてる全てのものが一つになって、みんなでやれたんじゃないかな」と胸を張った。





