日本ハム・北山 悔しノーノーあと2人 新庄監督が帽子のつば曲げたら好投「もうちょっと曲げてたら」
「巨人1-4日本ハム」(19日、東京ドーム)
大歓声に悲鳴とため息が交錯した。九回1死、ノーヒットノーランまであと2人。大城卓の打球が右翼席に飛び込むと、マウンドの日本ハム・北山亘基投手は少し悔しげに口を結んだ。後続を打ち取り、1安打1失点の完投勝利。「先発の役割を果たしたと思うのでよかったなっていうところと、今日は悔しくて眠れないかもしれないです」。穏やかな表情で、素直な心境を口にした。
最終回でも154キロを計測した直球とフォークなど鋭い変化球で圧倒。七回2死までは1人の走者も許さなかった。球場が異様な空気に包まれる中、偉業にあと一歩と迫り「そういう雰囲気の中で投げられるのはすごく幸せだなと思ったし、本当にいい経験になった」と前向きに受け止めた。
新庄監督も九回は身を乗り出して見守った。「オーマイガッシュ!あ~、悔しい」と苦笑い。ルーキーだった22年に開幕投手に指名した右腕の快投に「俺の見る目があった」とドヤ顔で笑いを誘いつつ「成長するスピードはかなり速い」と称賛した。前日には、真っすぐだった北山の帽子のつばをグイッと曲げて自分好みに修正。「もうちょっと曲げていたらノーヒットノーランいけてた」という指揮官に、北山も「そのおかげかも。もしかしたら視界が良くなっていたかも」と笑った。
今季2度目の完投で5勝目。規定投球回に再到達し、防御率1・15でリーグトップに再浮上した。顔を引きつらせて必死に守る内野陣の姿に「すごくうれしかった。いつか必ずリベンジしたい」と誓ったプロ4年目の26歳。その日はきっとすぐにやってくる。
◇北山 亘基(きたやま・こうき)1999年4月10日生まれ、26歳。京都府出身。182センチ、86キロ。右投げ右打ち。投手。京都成章高、京産大を経て、21年度ドラフトで日本ハムから8位指名。22年3月25日のソフトバンク戦で開幕投手を務め、1軍初登板初先発。同年4月6日のロッテ戦でプロ初勝利を挙げた。24年10月にはプレミア12の日本代表に選出されている。





