センバツ選考経過 地域性が考慮された東海地区→チーム力&姿勢が評価された近畿地区 増枠の関東5校&東京2校の選出は?

 「選抜高校野球・選考委員会」(24日、大阪市内)

 選考委員会が行われ、出場全32校が決定した。焦点となった東海地区3校目、近畿地区5&6校目に関して、選考理由では「地域性」と「実力」がキーワードとなった。

 3枠の東海地区では大垣日大、常葉大菊川がまず選出され、至学館と岐阜第一の比較検討となった。ともに東海大会4強だが、亀井副委員長は「至学館は投打共にチームとしてまとまっており、岐阜第一は連続コールド勝ちなど勢いがありました。この両チームについて、試合内容、戦力、マナーなどを検討したところ、非常に拮抗しているという結論に達しました」と説明した。

 そのため「選考ガイドラインにある複数の学校の評価が並んだ場合、できるだけ多くの都道府県から出場できるようにする評価ポイントに沿い、至学館高校を3校目としました」と“地域性”による選出だったことを明言。すでに大垣日大が選出されていたこともあり、岐阜県から2校目を選出するよりも、愛知1位校を選出する結論に至った形だ。

 選考ガイドラインは22年の選抜選考委員会で東海地区の準優勝校が選考から漏れたことで物議をかもし、有識者による会議を経て明文化された。

 (1)秋季大会の試合結果、試合内容をもとに評価する、その割合は同程度とし、総合的に判断する。

 (2)試合内容については、投手力、打撃力、守備力、機動力など技術面のみならず、作戦の徹底、創意工夫、粘り強さといった試合運びや、フェアプレー、マナー、きびきび、はつらつとした動きといった野球に取り組む姿勢のほか、戦力のバランスやチームの潜在能力、大会を通しての成長ぶり、チームワークなども評価の対象とする。

 (3)複数の学校の評価が並んだ場合、できるだけ多くの都道府県から出場できるよう地域性も考慮する。

 今回、(3)の部分が適用され、ファンにも分かりやすくはっきりと選考理由が伝えられた形だ。

 一方でもう一つの注目ポイントだった近畿地区は、昨秋の近畿大会4強の東洋大姫路、智弁和歌山、市和歌山、天理が順当に選ばれ、5校目を滋賀学園、6校目を滋賀短大付とすることが宝委員長から発表された。

 これにより大阪府から第4回大会以来、98年ぶりに選出ゼロの事態となったが、同委員長は「滋賀学園は滋賀大会で優勝、近畿大会は準々決勝で敗れましたが、1回戦では大阪2位の大阪桐蔭に接戦の末、逆転勝ちを収めました。攻守共に粘り強い戦いぶりと投手力の高さが評価されました」と説明した。

 6校目の滋賀短大付については「大阪1位の履正社に勝利し、準々決勝の天理戦も接戦でした。粘り強く戦う姿勢と、一丸となって勝利をもぎ取る姿勢が評価されました」と宝委員長。同じ8強だった大阪3位の大院大高、京都1位の立命館宇治は準々決勝で市和歌山にコールド負けを喫しており、戦いぶりやチーム力を純粋に評価し結果、大阪&京都からは選出がなく、和歌山&滋賀が2校ずつ選ばれた。

 関東・東京地区については、横浜が明治神宮大会で優勝したことにより、関東地区が「5」の増枠となったことが確定。横浜、健大高崎、浦和実、千葉黎明、山梨学院がまず選出された。そして東京地区は二松学舎大付。その上で関東の6校目・東農大二と東京2校目・早実の比較検討がなされ、早実が選出された。宝委員長は「投手力、攻撃力、守備力を含めた総合力で選びました。二松学舎に劣らない戦いぶりでした。昨夏の甲子園で16強に残った選手たちが複数残り、経験値を発揮した」と説明した。

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