巨人電撃退団のオドーア 阿部監督が自ら2軍再調整通達も「とにかく2軍に落ちて調整することは受け入れられない」 吉村編成本部長「契約にはすべて1軍で試合に出す確約はない」

 日本ハム戦で安打を放つオドーア=16日
 阿部監督が「ロナウドみたいだな」と表現したオドーアのヘアスタイル=2月
 練習後、硬い表情で報道陣に対応する阿部監督(撮影・西岡正)
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 巨人は26日、新外国人選手、ルーグネッド・オドーア外野手(30)=前パドレス=が退団することを発表した。オドーアに対して29日の開幕戦のメンバーから外れるため、2軍での再調整を提案したところ、退団の申し出があったという。球団も「本人から米国に戻りたいと退団の申し出があったため、球団としても本人の意向を尊重して受け入れました」と本人の意向を尊重した。退団の正式な手続きは後日行うという。

 取材対応した吉村編成本部長によると、2軍での再調整を通達は、阿部監督自らが行ったという。吉村編成本部長は「まず阿部監督の体制になって、外野手のポジションは誰ひとりレギュラーは決まっていない、それに対して、チーム内で競争して勝ち取ってくれという方針は変わっていません。その中で春のキャンプ、OP戦を経て、29日開幕の中で、メンバーを構成した中に、まだオドーア選手が本来の、私たちが描いているパフォーマンス、体調、色んなことを含めてもまだまだちょっと時間が足りないんじゃないかということになった」とし、「最初の開幕のメンバーには入れないけれども、しっかりとファームの方で調整して、コンディションを上げてくれと話し合ったんですけど、彼の中ではとにかく『2軍、ファームに落ちて調整するというのは受け入れられない』ということになりました。1番最初のところは、監督の口から彼に対して伝えられた。何度も説明しながら、話し合いを続けてきたが、結局彼の気持ちは変わらず、退団を申し入れてきたと。それを球団も受け入れました」と、説明した。

 「契約の中には、すべて1軍で試合に出すという確約もないですし、監督の言葉に対しても異議を唱えることはできないと、契約上なっています」と、強調した。

 オドーアとは今年1月22日に正式契約を結び、2月16日から沖縄で始まった2次キャンプからチームに合流。「ジャイアンツの一員となれて非常に光栄だよ。チームの優勝、そして日本一のためにこれから頑張っていきたいね」など、力強く抱負を語っていた。

 MLB178本塁打の大砲として期待されたが、オープン戦では環境の違いからか、なかなか結果を残すことができなかった。12試合の出場で、34打数6安打で打率・176。0本塁打、0打点だった。最後の実戦となった24日の楽天戦(東京ドーム)は「6番・右翼」でスタメン出場。二回の第1打席に投手内野安打を放ったが、3打数1安打で途中交代していた。

 チームは25日の休養日を経て、この日から全体練習を再開。開幕1軍に名を連ねる選手が汗を流す中、オドーアの姿はなかった。阿部監督は練習後、「休みではないんだけど、球団から報告が皆さんにあると思います、はい。僕の口から言うことはやめときます」とだけ話していた。

 開幕を目前とした中でチームのカギを握る助っ人選手の離脱。前代未聞の退団劇で、チームに激震が走っている。

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