「巨人春季キャンプ」（７日、宮崎）

　巨人のドラフト５位・又木鉄平投手（２４）＝日本生命＝が、初のシート打撃登板で岡本和、門脇、秋広ら主力打者を完全に封じた。実戦感覚を養う時期で投手有利とされるが、それでも打者６人を相手に無安打、４三振を奪う圧巻の内容。虎の００７も警戒を強めた。

　カウント１－１、無死二塁を想定した登板。萩尾、門脇を三振に斬ると、岡本和との対戦だ。直球で鋭く内を突き、外のチェンジアップで遊飛に抑えた。さらに中山を空振り三振、山瀬を遊ゴロに封じ、最後は秋広からスラーブで見逃し三振を奪った。球速は１４０キロ中盤でも、直球で空振りを奪うシーンが多かった。

　「僕の球質を確かめる上で、バットが下を振ってくれるのが理想。そこは良かったなと思います」

　名刺代わりの２２球。登板後、マウンドを降りる「ＭＡＴＡＫＩ」に、スタンドのファンが大きな拍手を送る。評価も上々だ。打席に立った岡本和は「本当にいい球でした。フォームとのギャップがあるというか…。すごいいい投手だと思いました」と絶賛。阿部監督も「直球で空振りが取れるのが魅力よね」とうなずいた。

　現時点で起用法は未定。視察した阪神の飯田スコアラーは「ブルペンの姿と全然違った。岩崎っぽいところがある」と驚き、守護神の名前を出して要注意投手とした。アマチュア時代に先発、リリーフの両方を経験。即戦力として計算できる投手の補強は“アレンパ”を狙う阪神の脅威になり得る。「１００点中だったら半分、５０点。自分の出来ることだけを一生懸命やっていきたい」と又木。掘り出し物の予感だ。

　◆又木　鉄平（またき・てっぺい）１９９９年２月１２日生まれ、２４歳。山梨県出身。１８２センチ、９２キロ。左投げ左打ち。投手。日川高から東京情報大、日本生命を経て２３年度ドラフト５位で巨人入団。最速１４９キロの直球とスライダー、カーブなどの変化球を操る実戦派。