英数学館 広陵撃破!闘病中の外部コーチ・北別府氏に届けた「令和の奇跡」

 「高校野球広島大会・3回戦、英数学館2-1広陵」(20日、バルコムBMWスタジアム)

 広島大会では英数学館が優勝候補の広陵に2-1で勝利し、同校初の4回戦に進出した。二回までに2点を先取し、3年生エース・末宗興歩(たくほ)投手が守り切った。元広島投手の北別府学氏(65)は同校の外部コーチ。白血病などで闘病中の同氏に大金星を贈った。

 広島の空に両手を突き上げた。抱き合い、特大のジャンプをする選手もいた。応援席では「令和の奇跡だ」と声を震わせる保護者がいた。英数学館が手にしたのは特大の金星。広陵を接戦で下した。

 「広陵に勝つにはこういう展開しかなかった。忘れられない1勝になりました」。黒田元監督(32)は頼もしいナインを笑顔でたたえた。

 序盤の2点リードをエース・末宗が守り切った。強力打線を相手に直球主体で勝負。高校日本代表候補の内海優太外野手(3年)や“広陵のボンズ”と呼ばれる真鍋の3、4番にも仕事をさせなかった。大砲2人を8打数1安打に封じ、末宗は「良い報告ができます」と汗をぬぐった。

 2018年5月。元広島投手で通算213勝の北別府氏が同校の外部コーチに就任した。同氏は20年1月に白血病を患ったものの、オンラインで指導などを続けてきた。末宗は「自分では気がつかなかった、投球前の癖を指摘してもらえたことで打たれにくくなった」。黒田監督も「言葉の重みが違う」と感謝する。

 闘病中の昨夏、北別府氏は同校を訪れ「諦めたら達成できない」とナインにエールを送った。不屈の精神を胸に宿すナインが、チームを創部初めて4回戦へ導いた。

 ◆英数学館高等学校 学校法人広島加計学園が設置した小中高一貫教育校。1982年創立。男女共学で全日制課程の普通科高校。所在地は広島県福山市。野球部は1982年創部で春夏の甲子園には未出場。夏の広島大会は06年以降、3回戦進出が最高。現チームは昨秋の広島大会で2回戦敗退。今春は地区予選で敗退。元広島の北別府学氏が2018年5月から不定期でコーチを務めている。

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