創志学園・長沢監督 今夏で退任 女子ソフト部監督の妻に続く 一番の理解者で最大のライバル

 阪神・西純矢投手(20)ら数々の選手をプロに送り込んでいる創志学園の長沢宏行監督(69)が、今夏終了後に門馬敬治東海大相模前監督(52)にバトンを渡す。最後の夏に挑む長沢監督は、同校女子ソフトボール部の妻・正子監督(68)とともに夫婦そろっての全国大会出場、全国制覇を目指す。岡山大会は9日に開幕、シード校の創志学園は14日に金光学園と笠岡商の勝者と初戦を戦う。

 いつもの夏と同じだ。今夏限りで退任が決まっている長沢監督は、練習試合の合間にトラクターで入念にグラウンドを整備する。整地する姿は、神村学園、創志学園と創部から携わり強豪校に育てた名将の原点だ。

 ラストサマーを前に「毎回同じですよ。自分のあれ(退任)は入れないよう、3年生の気持ちと一緒なんで。毎回みんなと一緒に卒業すると思ってやってます」と、例年通りを強調。教え子たちとともに覚悟を持って夏の大会に臨む。

 夙川学院女子ソフトボール部監督として全国制覇など数々の栄光を残した。その後、03年に神村学園の硬式野球部監督に転身。2年目から宇治(現立命館宇治)の女子ソフトボール部元監督で当時はゴルフ場勤務の妻・正子さんを寮母として鹿児島に呼び寄せた。「力を貸してもらった」と、05年センバツに甲子園初出場、準優勝した。

 長沢監督が創志学園監督に就任した10年には、正子さんも同校の女子ソフトボール部監督に就任。神村学園ではよきパートナーも、今では全国大会常連で全国制覇したこともある妻は精神的にライバルでもある。

 「夫婦仲はいいですよ」と笑いながら「スポーツを通じて人間作り。同じようなことをしていると思います」と、競技は違うものの指導のモットーに共感している。

 その正子さんが率いる女子ソフトボール部は、すでに今夏のインターハイに2年連続9度目の出場を決めている。「全国に出られた以上、僕も出たいと思っている」と刺激を受けている。

 野球部も負けていない。投打のバランスもよく今春の中国大会決勝では、昨秋の神宮大会準優勝の広陵を下して頂点にたった。専用球場の三塁側フェンスには「全国制覇」の横断幕もある。

 長沢監督は「少しでも高いところに。選手とともに1試合1試合大事に戦いたい」と熱く長い夏にする思いでいる。18年夏以来4年ぶりの甲子園出場はもちろん、高校野球で初めてとなる日本一に挑む。

 ◆長沢 宏行(ながさわ・ひろゆき)1953年4月26日生まれ、69歳。兵庫県出身。市西宮高では主将。日体大ではソフトボール部でインカレ優勝。アトランタ五輪ソフトボール日本代表のヘッドコーチなどを歴任し、夙川学院女子ソフトボール部監督として全国制覇多数。神村学園監督時代は2005年のセンバツで準優勝。10年から創志学園監督を務め、今夏限りで退任する。

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