巨人は優勝を諦めたような覇気のなさ 「闘争心はどこへいった?」と高代氏
「中日5-0巨人」(29日、バンテリンドーム)
巨人が冴えない試合で完封負け。見どころのないゲーム内容に、デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「すでに優勝を諦めたような覇気のなさ。闘争心はどこへいったのだろうか」と首をひねった。
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負ければこういうものかもしれないが、それにしても覇気というものが、巨人ナインからまったく伝わってこなかった。
これほど元気の感じられない試合は、今年初めてではないか。しかも、こんな大事な終盤戦に。
中日と同じ7安打を放ってそれなりに出塁はするが、点が入る雰囲気がない。ハラハラ感もドキドキ感もない。
もう優勝を諦めたのか…そう思われても仕方がないような試合内容だったね。闘争心はどこへいったのだろうか。
まず指摘したいのが四回の守りで出た小林のパスボール。1死三塁から高橋の大島へ投げた外角球が少し引っかかったのだろうが、後ろへ逸らした。
結果的にこの失点が決勝点になった。ミスが命取りになるという典型例だ。
五回の守りでは高橋が福留、高橋周、木下に3連打を浴びた。そして岡林には、高めの甘いスライダーを仕留められて右犠飛。
ペナント終盤の大事な時期でもある。小林にしろ高橋にしろ、もう少し集中力が必要だろう。
小林は二回1死一、三塁のチャンスで空振り三振。次の打者は投手の高橋なのだから、何とかしてバットに当てるぐらいの執念を見せてほしかった。
巨人は散発の7安打。中日は連打を含む7安打。同じ安打数でも打線がつながると得点が入る。
中日はベテランの福留が攻守にハッスル。懸命の走塁で2点目のホームを踏んだ。
若い2年目の岡林もファインプレーにプロ初打点。元気いっぱいの活躍でファンを喜ばせていた。
どちらが優勝を争っているか分からない試合に、巨人ファンはガッカリだったに違いない。
この日はヤクルトも阪神も負けただけに、勝って差を縮めておきたかったところだが、これからは相手の結果に関係なく、1敗もできない状況が続いていく。
巨人は残り20試合を切った。この期に及んで4連敗は本当に痛いが、まだ終わっていないのだから、とにかく緊張感を保ち、集中力を切らさないこと。そのためには闘争心を失わないことだ。
勝負事は最後まで分からない。気持ちで勝てるほど甘くはないが、その気持ちがキレたら終わり。それだけは言える。