巨人入りの杉内 ソフトに愛憎の涙「FAを獲ったとしても必要とする球団ない」

 【2011年12月20日付デイリースポーツ紙面より】

 ソフトバンクから国内FA権を行使した杉内俊哉投手(31)が19日、ヤフードームで、今季限りの退団と巨人移籍を涙を浮かべながら発表した。昨年末の契約更改時、球団幹部と代理人との交渉の間に不信感を抱き、そのまま溝が埋まらなかったことを退団へ至った最大の理由に挙げた。午後には東京に向かい、巨人へ入団の意思を伝えた。

 一度生じた亀裂は元に戻らなかった。記者会見に臨んだ杉内は、移籍に至った最大の原因を「どこまで言っていいのかわからないけど(昨年の契約更改で球団幹部に)『FAを獲ったとしても必要とする球団はない』というようなことを言われた」と涙ながらに話した。

 昨季終了後、球団側は査定法を急きょ「成果報酬型」に変更することを決定。それに異を唱えたのが杉内だった。球団幹部と代理人との交渉で問題点を指摘したが、前出の発言に杉内は激怒。2度目の交渉で信頼を置く笠井オーナー代行が出馬し、更改に至った。

 今年4月、国内FA権取得後に来季以降の契約について球団側と話し合ったがまとまらず。「感情的な部分がどうしても元に戻らなかった」という。

 球団側も慰留に必死だった。今季途中には交渉担当者を変更。国内FA権行使後は、推定4年16億円(変動制)から巨人並みの推定4年20億円(固定制)を提示した。また、14日の交渉には、笠井オーナー代行が査定法の改善を約束していた。

 地元福岡出身の杉内。生涯ホークスで全うする思いもあったという。報道陣からの「昨オフのことがなければ、移籍しなかったか?」の問いに「それがすべてではないけど、きっかけにはなった」と答えた。

 笠井オーナー代行は「引き留められず残念。しかし、その上での“男の決断”は重いものであるし日本を代表する投手として頑張って欲しい」と左腕に言葉を送った。しかし、双方にとって後味の悪い“ケンカ別れ”となったことは否めない。

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