「広島０－５巨人」（２３日、マツダスタジアム）

　大砲がお目覚めの一撃だ。１軍復帰後、初安打が決勝２ラン。巨人・中田は「チームの足を引っ張ってしまっていた。結果はもちろんそうですけど、それ以上に『自分らしく』打席に立てるように努力をしていきたい」と正直な思いを吐露した。

　移籍後初めて７番に座り、迎えた０－０の二回２死一塁。玉村の直球を捉え、豪快に左中間に運んだ。８月２２日以来となる移籍後２本目の本塁打。ベンチ前では、みこしを担ぐ“わっしょいポーズ”を初披露した。

　日本ハムでは同僚への暴力行為で球団から１、２軍全試合の出場停止処分を受け、無償トレードで巨人に電撃移籍。しかし新天地では不振にあえぎ、１１日に出場選手登録を抹消された。

　２軍生活を強いられたが、心配して駆けつけた長嶋終身名誉監督や阿部２軍監督から直接指導を受け、再起を図った。その時の貴重な経験を振り返り、「いろんなアドバイスとか、いろんなことを勉強させてもらった。チームが勝てたのはすごく良かった。今は安心しています」と胸をなで下ろした。

　故郷・広島で果たした１軍復帰。「親は来ていないです。東京の方で手伝ってくれている。僕自身がずっと１カ月半ぐらいホテル住まいだった」。移籍後も支えてくれた家族にも感謝した。

　９月初の連勝に貢献した中田は言う。「これだけ選手がそろっているチームですから、足を引っ張らないように頑張っていきたい」。２４日からは逆転Ｖを狙う上で重要な阪神３連戦。大砲を加えた強力打線で虎を退治する。