巨人・長嶋茂雄終身名誉監督（８５）が１３日、ジャイアンツ球場を電撃訪問し、不振で２軍調整中の中田翔内野手（３２）に打撃指導した。構えの姿勢と腰の回転の意識を伝え、早い段階での復調に太鼓判を押した。

　悩めるスラッガーへミスターが熱血指導だ。不振で１１日に出場選手登録を抹消された中田にアドバイスを送った長嶋終身名誉監督。球団を通じ「結果が出ていない姿を心配して駆けつけたが、心配いらないね。しっかりといい姿勢で構えることと腰を強く回す意識を伝えました」とのコメントを寄せた。

　巨人入団から２日後の８月２２日・ＤｅＮＡ戦前に東京ドームを訪れ、「いろいろあるけど、応援したいから、今日来たの」と激励。その試合で中田が左翼席上段への移籍１号を放った際、バックネット裏の球団ブースの窓を叩くほど興奮して喜んでいた。だが、以降は思うような打撃ができず、移籍後１６試合で打率・１５０と低迷しついに２軍落ち。そんな状況を見てミスターが動いた。

　実際にスイングを確認し、「きっと近いうちに、東京ドームで中田選手の特大ホームランが見られると思うよ」と太鼓判を押した。中田は「僕のために時間を作っていただき感謝の気持ちでいっぱいです。しっかり結果で恩返しができるように今後も継続して精進して参ります」と決意をにじませた。

　チームの連敗は６で止まったが、まだ打線に怖さが出てこない。原監督は「そりゃ、みんなそうですよ。（みんな）戦力じゃなきゃ今年なんて戦ってられないよ」とトレードで獲得した大砲の復調に期待を寄せる。ミスターへの感謝を胸に、中田が早期１軍復帰を目指してバットを振り込んでいく。