疑問が残った巨人・小林の配球 ビシエドへの一球は「危険極まりない」高代氏が指摘
「中日4-1巨人」(27日・バンテリンドーム)
首位阪神を追う巨人が序盤の失点で、手痛い連敗を喫した。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏が指摘したのは小林のリード。「ビシエドと投手である大野への対応は疑問」と切り込んだ。
巨人の初回の2失点は、山口が無死満塁からビシエドに右前打されたもの。ウイークポイントの内角を攻めて詰まらせはしたが、少し甘く入ったね。
先頭の京田を打ち取りながら、一塁のベースカバーに入った自身の失策が絡んでのものだけに、責任は山口にある。
相手先発は6月11日の西武戦以来、勝ち運から見放されている大野。接戦で勝てないジレンマに苦しんでいただけに、先取点を与えることだけは避けたいところだった。
二回の2失点は小林のリードに疑問が残った。
二死二、三塁から再びビシエドに打たれたのだが、ここで果たして勝負する必要があったのか。単純に考えればいいのではないか。一塁は空いているのだから。
ボール球を要求したのかもしれないが、フォークが高めに浮いてストライクゾーンに入ってきている。危険極まりない球だ。
この対応は、むしろリードする側の捕手に責任がある。
この日の小林には三回の守りでも、首をかしげたくなるようなシーンがあった。
打者は投手の大野。二死で走者がいない。中日には4点のリードがある。カウントは2-2。
サイン交換の途中で戸根が“とんでもない”という感じで、首を振っていた。
結果、投げた球はど真ん中の直球で、大野は見逃し三振。そらそうだろう。大野に打ちに行く気配などさらさらなかったからだ。
ではなぜ戸根が首を振ったのか。小林から変化球のサインが出ていたと考えるのが妥当だろう。
打つ気のない打者に変化球など必要ないですよ。戸根のほうがよっぽど分かっていると思った。
今の小林は状況が読めていないのかもしれない。打席でもボール球に手を出すケースが目立つ。自分の打撃を基本に配球を組み立てているのかな。
これが特に戦況を動かしたわけではないからいいのだが、二回に失った2点の重みに関しては、どう感じているのか気になるね。
この試合は序盤の4失点で大野を完全に乗せてしまった。初回から真っすぐが走っていたが、さらにギアが上がったね。速球にチェンジアップをうまく混ぜる大野本来の投球。こうなると攻略は難しい。
久々の菅野に続いて山口を立てて連敗。巨人もなかなか厳しい。簡単にはいかないね。