大阪桐蔭 背番号14の主将・藪井 魂のV撃 西谷監督「歴史に残る主将です」

 「高校野球交流試合、大阪桐蔭4-2東海大相模」(17日、甲子園球場)

 大阪桐蔭が甲子園では初となる東海大相模との名門対決を制した。2-2で迎えた八回1死二、三塁で、主将・藪井駿之裕内野手(3年)が決勝打を放ち、高校野球を有終の美で飾った。第2試合は尽誠学園が智弁和歌山を圧倒、第3試合は山梨学院が白樺学園に快勝し、甲子園交流試合の全日程が終了した。

 ウイニングボールを手にすると、藪井の目から思わず涙があふれた。「粘って粘ってやっとできたチャンス。キャプテンとして、ここは絶対に自分が決めてやるという思いでした」。背番号「14」の主将が高校最後の試合を自分の手で決めた。

 同点で迎えた八回1死二、三塁。途中出場した藪井が、左翼線へ勝ち越しの2点適時打を放った。「笑っても泣いてもこの1試合が最後。命を懸けて絶対に勝たないといけないという気持ちでした」と魂のこもった一撃を放ち、塁上で拳を高く突き上げた。

 1年間の苦労が報われた瞬間だった。昨夏、8年ぶりに甲子園に出場できず例年よりも早く始動した新チームで、主将に任命された。1年時からレギュラーで活躍する選手もいる中で、試合経験のある選手の方がいいのではという意見もあったが、チームからは「藪井がいい」という声が圧倒的だった。

 だが、タレント集団を率いるのは想像以上に難しかった。「(苦労したのは)自分よりも実力が上の選手をどう従えていくのか」ということ。控えだったこともあり、始めのころはチームをまとめきれず、責任を取って練習から外されたこともあった。それでも、腐らなかった姿をチーム全員が見てきた。

 西谷浩一監督(50)は「野球の神様がうまく主将に回してくれたと思う。藪井は大阪桐蔭の歴史に残る主将です」と教え子の努力をたたえた。

 この日は、3年前の主将・福井から代々受け継ぐ“主将力”と刻まれたバッティンググローブで挑んだ。コロナ禍によって一度は絶たれた最後の聖地で、主将らしく最高の結果を残した藪井。「苦しい思いが報われました」。最後まで最強集団を立派にまとめ上げた主将の顔は、頼もしかった。

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