星稜 林監督の長男・大陸が甲子園初出場 今日を境に親子へ「戻れる」

 7回、代打で出場し明るい表情を見せる林
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 「高校野球交流試合、履正社10-1星稜」(15日、甲子園球場)

 星稜・林和成監督(45)の長男の林大陸(りく)内野手(3年)が、途中出場で甲子園初出場。試合開始時は三塁コーチャーを務めていた中、七回二死から代打で出場すると二ゴロに倒れたが、そのまま二塁の守備に入った。九回はあと1人出れば2打席目が回ってきていたが、敗戦の瞬間をネクストで迎える結果に。それでも、仲間への感謝の思いを口にした。

 「(父に)感謝を伝えたいです。仲間にも。迷惑をかけたので」

 迷惑、と表現したのは監督との親子関係からのもの。「どうしても仲間は(時には)林監督の文句も言いたかったと思いますけど、自分の目の前では言わなかったりとか気を遣って、いい仲間だったのですごく迷惑をかけたなと」。もちろん星稜に入部を決めた時から覚悟は決めていた。

 「(星稜への進学は)『自分が行きたい道を進め』と言われていたのでそこは抵抗がなかったですけど、周りからも、ネットとかでもいろいろ言われるという覚悟で来たので」。それでも、実際に入部してみれば、気持ちの部分で難しい部分はあった。

 「心の少しのところで親と見てしまうところがあって。『なんでや』と思うこととかもあって。林監督も『子』と見るところもあったと思うので。グラウンド内で私情を挟んでしまう(難しさ)というか、親子を出さずにというか」

 林監督も試合後の取材で、林に関して「苦しいことが多かったですけど、よく3年間がんばったと思います。あまり特別な感情は湧かなかったです。そこまでの過程で2人で苦労したので。彼は彼なりに背負うものがあったと思いますし、嫌な思いの方があったと思いますし、最後に甲子園に立てたというところでは、おつかれさんと」と振り返っている。周囲からの視線や思い。それを感じる側の、2人にしか分からないものがあった。

 林は「確か小2か小3年の時です」と、林監督が初めて甲子園で指揮をとった時に、ベンチから父の背中を見た記憶が鮮明に焼き付いているという。「なんてかっこいいんだと思いました」。星稜に憧れ、同じユニホームで過ごした3年がこれで終わる。

 「(今日を境に親子に)戻れると思います」と林。自宅でも「林監督というのがあるので」といった関係もこれで終わり。これから尊敬する父として背中を追っていく。

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