明徳義塾 4番・新沢サヨナラ打!馬淵監督「やっぱり甲子園はいいね」
「高校野球交流試合、明徳義塾6-5鳥取城北」(10日、甲子園球場)
七回まで無安打ながら2-1でリードしていたが、八回にエースが打ち込まれ、逆転された。それでも土壇場の九回、2死から劇的なサヨナラ勝利。激動の試合展開に、百戦錬磨の馬淵史郎監督(64)の第一声も「すごいんかどうか、わかりません」だった。
「きょうの点差はクリーンアップの差や」。九回、最後の攻撃を前に飛ばしたゲキに、4番・新沢颯真内野手(3年)が応えてくれた。選手の粘りが勝利を呼び、指揮官は「野球はヒットの打ち合いでも、速い球の投げ合いでもない。いかに相手より点を取るか、ですから」と満足そうに語った。
この夏は代替大会が近づいても、練習人数を主力に絞らず、3年生は極力同じメニューで行った。練習時間も短縮され、選手たちもどこか活気がなく、練習を見ながら「いつもならもっと殺気立ってるよ」と、さみしげに漏らしたこともある。
優勝はしていないが、勝って終わる夏。「不思議ですけど、やっぱり甲子園はいいね」と最高の締めくくりに、笑顔で聖地を後にした。