西の人的補償・オリックス竹安 移籍後初、627日ぶり白星「結果残すのが恩返し」
「交流戦、ヤクルト2-6オリックス」(24日、神宮球場)
オリックス・竹安大知投手(24)が八回途中2失点の好投で、阪神から移籍後初勝利を挙げた。楽天生命パーク宮城で予定されていた楽天-広島は雨天中止で、日本生命セ・パ交流戦の最終戦は25日に順延となった。
手渡されたウイニングボールを竹安は大事に受け取った。阪神時代の2017年10月5日・中日戦以来、627日ぶりの勝利は特別だった。
前回12日・中日戦では毎回走者を背負ったが「テンポよく攻めよう」と誓ってマウンドに上がった。先頭の山田哲をフォークで空振り三振に打ち取ると一気にノッた。二回は1死満塁のピンチも奥村をツーシームで二ゴロ併殺打。八回に山田哲に一発を浴びたところで降板したが、プロ入り最長の7回0/3を2失点。西村監督は「素晴らしいとしか言いようがない」と絶賛した。
昨オフ、阪神にFA移籍した西の人的補償でオリックス入り。矢野監督からの激励を胸に「反骨心をバネに」と意気込んだ。ローテ入りを目指した春季キャンプでは「アピールしないと」と気負いが裏目に出て右肩痛を発症。出遅れた。「フォームも体もまだまだ足りない。見直す期間にした」。足元を見つめ直し、地道な努力を積み重ねた。そしてつかんだ初の先発勝利だ。
「もう4年目。同期でクビになった選手もいる。結果を出したかった。両チームにとって、結果を残すことが恩返しだと思った」
2014年12月にトミー・ジョン手術を受けたが、それでも翌年に阪神からドラフト指名された。未完の大器と称された男が新天地でようやく花開こうとしている。