大阪桐蔭 落選も全員が前を向く 中野主将「夏にむかってやっていく」
「選抜高校野球・選考委員会」(25日、大阪・オーバルホール)
史上初の春3連覇&3季連続優勝へ吉報は届かなかった。近畿の補欠1位校になったことを今田校長から伝えられた中野波来主将(2年)は「一番に悔しいが、1日たりとも忘れずに、夏に向かってやっていきたい」と前を向いた。
昨秋の近畿大会準々決勝で智弁和歌山に敗れたことで、センバツ出場は微妙なラインだった。それでもこの冬は3月に照準を合わせて調整を進めてきた。まだ高校生。落選の一報に肩を落とす選手や涙を浮かべる選手がいてもおかしくない中、全員が前を見据えて現実を受け止めていた姿が印象的だった。
「(昨秋は)自分たちの気持ちの弱さが出た。すべての面において力不足だった」と言った中野主将。一つ上の世代は根尾、藤原ら4人のドラフト指名選手を輩出し、春夏連覇を達成した。いやが応でも周囲から比較されることで重圧もあった中、「個々の能力は高くないけど、全員が束になって一つに固まって戦うのが強み」とチームの結束力を信じて戦ってきた。
春の山には登れなかったことで、気持ちは最後の夏へと切り替わった。中野主将は「夏一本に向けてやっていく。チーム的にも個人の意識を高めてやっていく」と力を込めた。その語り口は、まだ高校生とは思えないほど一片の迷いすら感じさせなかった。