【寮メシ】「普通の食事」が一番 ヤクルト・戸田寮

 戸田寮の食堂に置かれている先発投手用の食事表
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 プロ野球の若手選手たちの体作りを支える寮の食事。栄養バランス、ボリューム、品数など、あらゆる角度から計算し尽くされた“プロの料理”を随時紹介していきます。数々のスターを輩出してきたヤクルト・戸田寮の食事とは?

  ◇  ◇

 今季は投手陣を中心に若手の台頭も目立ったヤクルト。戸田寮の食事はビュッフェ形式だが、献立は一般家庭と大差ない「普通の食事」。しかし、この「普通」こそが体の土台作りに欠かせない。

 「普通の食事が一番なんです。基本的な食生活をコツコツ続けることが一番難しい」。チーム運営部の公認スポーツ栄養士、天方(あまがた)一匡氏(37)はそう説明する。普通の食事とは

 主食(ご飯)、汁物、生野菜、副菜2品、肉、魚、果物、乳製品

5大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル)がバランス良くとれるもの。選手は運動量が多いため食事量も一般よりも多いが、必要な内容は変わらない。

 「普通の食事」を継続するために。そこには、もちろん工夫がある。天方氏は「楽しみがあっていい。楽しんで食べないと、食習慣は続かない。おいしく楽しく食べてもらいたい」と話す。例えば、栄養バランスは変えず、季節を感じられるものを出す。秋には冷凍ではない生のサンマを仕入れて、栗ご飯と一緒に食卓に並べた。春には桜そば、かつては夏にハモを出したこともある。

 また、週1回は好きなものを食べていい日を設ける。焼き肉でも何でもいい。“ご褒美”があれば、毎日の基本的な食生活を続けようというモチベーションにもなる。

 今秋の松山キャンプでは、食堂にサラダチキンのパックとゆで卵が用意された。「タンパク質を取りたい」というリクエストに応えたもの。練習の合間の好きな時に、選手は食べることができた。栄養補給も粉や錠剤のサプリメントではなく食材から。サラダチキンは数種類の味を用意した。食べる気分は大事。継続性につながる。

 1日に必要な栄養素の量は、体重1キロあたり必要量×選手の体重でそれぞれ計算されている(タンパク質1・5~1・7グラム×80キロ、糖質5~7グラム×85キロなど)。理想は選手が「自分で考えて用意できること」(天方氏)。退寮した選手にレシピ集を渡すこともある。キーワードは「普通の食事」を「楽しくおいしく」食べさせる。それが選手の意識の向上につながっていく。

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