ソフトバンク連勝で本拠地11連勝 先制V弾の上林「王手かけて広島に重圧かける」
「日本シリーズ・第4戦、ソフトバンク4-1広島」(31日、ヤフオクドーム)
完璧だった。三回2死一塁。ソフトバンク・上林が野村の132キロスライダーを捉えた。右翼席の中段まで届く美しい放物線は、日本シリーズ自身初アーチとなる先制&決勝2ラン。「最高の結果になった、最高。楽勝で入ると思った」と笑顔を見せた。
CSファイナルSで10打点を記録したバットも、第1戦は6打数無安打4三振。第2戦は体調不良でスタメン落ちした。それでも内川の言葉が心の支えとなった。「シリーズはどれだけ打ったかより、どこで打ったかが大事だぞ」
ライバルの活躍も刺激にする。内川に師事し自主トレをともにする広島の4番・鈴木は、この日も一発を放つなどここまで3本塁打。「誠也さんが打ちまくるので。まだまだ実力は及ばないが、ポジションも背番号も同じ。セで一番意識する存在ですね。負けてられないなと」と闘志を燃やした。
広島でのシリーズ開幕戦前夜。内川に連れられ幕内琴奨菊、嘉風らとの食事会に同席した。席上で「一体どうやって重圧に打ち勝つのか」と琴奨菊に問われたという。
恐縮しながらも上林は「重圧に勝つというより、このチームでは試合に出るために(激しい競争に)勝たないといけない。そこに勝つだけで精いっぱいでした」と言い切った。柳田や中村晃に長谷川勇のほか、2軍にも実力者がひしめく外野手争いを勝ち抜いて、頂上決戦での一撃にたどり着いた。
日本シリーズ本拠地11連勝。「王手をかけて、広島に重圧をかけられるよう頑張る」。2年連続日本一への道は、上林のバットが切り開く。