巨人 貧打解消へ期待高まる捕手からの野手転向組 過去の成功例は…

 巨人のドラフト3位・大城卓三捕手(NTT西日本)の評価が急上昇している。

 キャンプは2軍スタートだったが、今月2日の全体練習から1軍合流。3、4日のヤクルトとのオープン戦2連戦では、代打本塁打を含む3打数3安打を少ないチャンスでアピールに成功した。

 評価されるのは、打席内容の充実度。3日は途中出場で巡ってきた初打席で、積極的に初球を振り抜き中前打。第2打席では逆方向へ飛距離を伸ばし、左翼フェンス直撃の二塁打で好機を演出した。

 翌4日は失投を着実に仕留める能力の高さを証明。カウント3ボールから甘く入った直球を見逃さず、右翼席へ本塁打を放った。攻撃力が乏しいチームで、圧倒的な存在感を示した。

 正捕手の小林に守備力では劣るものの、持ち味の打力でしっかりアピール。こうなると当然、浮上するのはコンバート案だ。5日の練習では早速、一塁手への本格挑戦を開始。同じく昨年は打力で結果を残した宇佐見真吾捕手とともに、野手として長所を伸ばしていく可能性が出てきた。

 これまでもプロ野球界では捕手から野手に転向し、成功した選手は多い。近年では日本ハム・近藤や楽天・銀次が活躍。阪神・原口も野手としてブレークし、16年に11本塁打をマークした。

 球史に名を刻んだ大打者の中には、捕手から野手にコンバートした選手は少なくない。転向の理由は絶対的な正捕手がいたことやケガなどさまざまだが、その多くが突出した攻撃力のある選手ばかり。過去、捕手からコンバートした代表的な選手を振り返ると…。

 【田淵幸一】(阪神、西武)強肩強打の捕手として1年目からレギュラーに定着。7年目に本塁打王を獲得した。西武移籍後は一塁手としてシーズン43本塁打を放つなど活躍。通算474本塁打をマークした。

 【飯田哲也】(ヤクルト、楽天)野村克也監督のもと、強肩と俊足を生かして外野手へ転向。盗塁王、7年連続のゴールデングラブ賞など、俊足堅守の1番打者としてヤクルトの黄金時代を築いた。

 【山崎武司】(中日オリックス、楽天)捕手として守備面に課題が多く、外野手に転向。遅咲きプレーヤーとして10年目に本塁打王、楽天移籍後も39歳で本塁打、打点の2冠王に輝いた。

 【江藤智】(広島、巨人、西武)正捕手に達川光男がいたこともあり、プロ入り後すぐに外野手へ転向。2度の本塁打王に輝くなど、通算364本塁打をマークした。

 【小笠原道大】(日本ハム、巨人、中日)2年目で内野手登録。一塁手として実績を積んだ後、三塁手へ転向。日本ハムでは本塁打、打点王の2冠に輝き、FA移籍した巨人でも持ち味のフルスイングでファンを魅了した。

 【和田一浩】(西武、中日)入団時は正捕手に伊東勤がいたため、すぐに外野手にも挑戦。しばらく捕手、外野手での併用が続いたが、伊原春樹監督のもとで外野に専念。野手として、その才能が開花した。

 巨人では阿部慎之助が長く正捕手に君臨。大城、宇佐見にも「強打の捕手」としての魅力があるものの、鉄壁の守備力を誇る小林がいることもあり、一塁や外野へ回すことが現実的。チームは野手の世代交代期にあるだけに、その才能を伸ばすチャンスも大きくありそうだ。

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